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2016/01/20 Enterprise BaaS製品“AppPot”, NCDC Story, Next Concept, 経営, 起業

【ベンチャー経営6】新規サービスをどう作る?(その2)

NCDCの早津です。ベンチャー経営コラムの新規サービス開発の続きです。前回から半年くらいたってしまいました(すみません)。この後編も半分以上は半年前に書いていたので十分熟成されてしまったかも。

前回コラム【ベンチャー経営5】新規サービスをどう作る?

前回はNCDCがコンサルティングビジネスからサービスを生み出すための話や、ボツになったサービスの話をしました。今回はその続きで、AppPot を開発することになった経緯について話したいと思います。

AppPotの最初のヒントはお客様との会話の中にありました。ある大手企業様からの相談を受けました。その内容が「とあるモバイルプラットフォーム製品をベンダーが提案してきているのだが、それが必要かどうかわからない。それを購入しないでシステム開発した場合、どのくらいの工数になるのか?」というものでした。その話を聞いていると、モバイルプラットフォーム製品の概要や金額もよくわかりましたし、お客様自体が考えている要件もよくわかりました。その時は、「今後はどの企業でもこういった要件がでてくるんだろうな」「やっと企業でのモバイル活用が本格化してくるかな」くらいにしか考えていませんでした。

また、別のお客様からもヒントがありました。このお客様はNCDCがすでにAndroidのネイティブアプリを開発していたお客様でした。そのお客様がタブレットを全面的にiPadに移行することになりました。ネイティブアプリも開発し直す必要がありましたが、そのお客様はとあるモバイル開発製品をカスタマイズすることで、サーバ側はすべてHTML5用にAPI化してしまい、クライアント側はHTML5で画面を作るだけで良いようにプラットフォーム化を行いました。その結果、アプリ開発のコストが従来の50%程度になりました。つまり、サーバ側の機能は隠蔽化し、アプリを作るだけで、データベースを自動生成する仕組みを作ることで開発コストが半減することをアプリ開発ベンダーの立場で経験したのです。

一方、社内では引き続き、新規サービスの検討を続けていましたが、先の候補はすべてもう一歩だったので、「どうしようかな」という感じでした。それでも諦めず、ディスカッションは継続して続けていました。そして、偶然ではありますが、上記2つのようなお客様との会話や経験から、「NCDCでモバイル開発のミドルウェアみたいなの作ってしまったらどうだ?」というアイデアが誰というわけでもなく、自然に湧いてきたのです。そうすると、つながるようにどんどんアイデアがつながってきました。

たとえば、スマートデバイスには「プッシュ通知」という機能があります。スマートデバイスの特徴的な機能の一つであり、アプリを作る場合、ほぼ100%「プッシュ通知の機能が必要」となるような機能です。NCDCでは企業向けのスマートデバイス開発のコンサルティングを行った際、「プッシュ通知の機能はどのアプリでも必要とされるので、アプリ毎に一つ一つ開発するのではなく、再利用(共通利用)できるように作っておいたほうが良いです」ということを毎回毎回話していました。

「モバイル開発のミドルウェアにプッシュ通知の機能を入れておけば、それこそ開発しなくてもこの製品を購入した人がすぐ使えるよね」「データ暗号化も同じようにこの製品に機能として持たせてしまえばよいのでは?」「ネットワークのオフライン対応の機能も持たせてしまえば、一々開発する必要ないよね」

つまり、新規サービスのアイデアは市場にも自分たちの中にもすでに沢山あったのです。

この段階で3C分析を再度行いました。

・市場:現時点では特定の大企業以外はないであろう。しかし、これから数年で企業でのモバイルユースは確実に増える。ERPが企業で必須になったようにモバイル対応も企業で必須になるはず。◯

・自社:メンバーがBEAやオラクルといったミドルウェアに強いベンダー出身者であり、かつ、モバイル系は先に書いたようにコンサルティングを多く行っていたので、モバイルのミドルウェア開発であれば自分たちで十分設計も開発もできる。これは強み。◎

この時点で今までの案よりも確実に良い方向性であることが見えてみました。

そこで、競合についても分析してみました。

・競合:MEAPといわれる製品カテゴリーで見た場合にはIBMさんとSAPさん。どちらも料金が高い。モバイルやミドルウェアの領域ではNCDCの方が経験が豊富。一緒に市場を作っていき、彼らとの差異化を明確にすれば十分戦える。mBaaSといわれる製品カテゴリーで見た場合、Niftyさんやアピアリーズさん。どちらも企業向けに特化はしていない。かつクラウドのみの提供であり、日本企業では多くの企業がオンプレミスを必要としている。そのあたりを差異化すれば十分戦える。◎

という3Cの分析結果から、「これはいける」と判断しました。

その後、具体的な販売方法やターゲット顧客、パートナー戦略、コスト等はビジネスモデルキャンバスで整理して、整合性を確認し、ついに、NCDC発の国産モバイルプラットフォームAppPotの開発に着手したのです。

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