こんにちは。NCDCのマーケティング担当です!
潜入レポート第二弾、今回はIT企業様のUX研修に密着してきました。
NCDCは業務システムのUX/UIデザインで多くの実績があり、数多くのご相談をいただいています。中でも、近ごろご依頼いただく案件は、UIデザインを外注するだけでなく、「社内の関係者にUXを意識したサービスやUIの設計を学ばせたい」というニーズが増えています。
そうしたご期待に応えられるようNCDCではUXデザインの手法を学ぶ研修プログラムをお客さまのニーズに合わせた期間と内容でご提供しています。
以前のコラム「事例で知るNCDCのサービスデザイン、UXデザイン研修」でも、研修の様子をご紹介しました。今回はオンラインで行われた、あるSaaSを対象とした企画・開発関係者向けのUXデザイン研修に潜入し、その様子を公開可能な範囲でみなさまにお届けします!
UXデザイン研修を行った経緯と目的
今回の研修は、お客様が開発・販売されている業務向けのクラウドサービスのUI改善コンサルティングのご依頼を受けたことがきっかけで企画されました。
UI改善コンサルティングのご提案から契約に至るまでのディスカッションを進めるうちに、UI改善の提案をするだけではなく、関係者全員にUX/UIデザインの基礎を習得していただいてから改善に取り組む方が、お客様のニーズに沿ったコンサルティングを行えると考えたのです。
そのため、プロジェクトの初期段階で関係者にUXデザイン研修を行い、その後に対象画面のUI改善に取り組むというコンサルティングの流れになりました。
研修の概要
【参加者】20名(UX/UIデザインの知識がない社員の方が中心)
【スケジュール】約5時間(午前2時間、午後3時間)
【講義形式】オンラインにて実施
【使用ツール】Zoom、miro
オンラインでワークショップ形式の研修ではZoomとmiroは定番ですね!
miroについては以前のコラムで詳しくご紹介しています。NCDC社内でも非常に活用しているツールです。
弊社で提供しているUXデザイン研修は座学とケーススタディによるグループワークの二部構成になっています。研修内容は企業様のニーズや人数に合わせてカスタマイズをしています。
今回のケーススタディは改善対象となっている画面を実際に操作するユーザーの業務シナリオに合わせてカスタマイズしました。一般的なUX/UIデザインの基礎知識とお客様の直面している具体的な課題を組み合わせることで、より有益な研修プログラムとなるように設計しました。
UX/UIデザインについて学ぶ
UX/UI基礎講義(座学)
午前は講義形式でUXデザインの概念理解やUX/UIデザインのプロセスを解説していました。
UXデザインやCXデザイン、サービスデザイン、デザインシンキング、UIデザインなど、「デザイン」がつく単語は種類が多く、違いもわかりにくいですよね。そのあたりをNCDCの講師が身近なものに例えながら、わかりやすく説明をしていました。
また、UX/UIデザインのプロセスの解説ではペルソナやカスタマージャーニーマップの説明などが行われました。お客様がIT企業ですので、以下のような質問が出ていて、積極的に講師と議論しているところが印象的でした。質問がどんどん出てくる様子に、受講者のみなさんの熱心さが伝わってきました。
(質問例)
- システム開発工程になった場合にUXデザインプロセスをどこに入れればよいのか?
工数が増加したり、期間が長くなったりしないのか? - デザインは人によって使いやすい基準がちがう。意見がぶつかった時はどのように決定していけばいいか?
- ITリテラシーが低い人に対して、UIデザインをどのように説明し納得してもらったらいいか?
UXワークショップ
午後はメンバーを少しだけ絞り、UI改善の対象となる業務向けアプリケーションに特に関係があるエンジニアを中心に、12名を2つのチームに分けて行いました。業務シナリオを2つ用意して、UX/UIデザインプロセスを体験しました。
3時間で以下の流れでワークを行いました。
- ペルソナを決定する
- カスタマージャーニーマップを作成する
- 必要な機能を抽出、優先順位を整理する
- ワイヤーフレームを作成する
先述した通り、ワークショップ用のケーススタディは実際にこのサービスを操作するユーザーの業務シナリオに合わせて用意したため、このワークショップでUXデザインプロセスを通して考えたワイヤーフレームと、現在実際に使われているUIの対比ができます。
現行のアプリは複雑な業務内容をわかりやすく管理できるようにするため、何度も検証を重ね開発されてきたと思います。それでもUXデザインのプロセスをゼロから学んで、同じ業務シナリオからワイヤーフレームを作ってみると、既存の画面設計とは全く違うと言っていいほどの変化があることに参加者のみなさんは驚いていました。
また、2つのグループが作成したワイヤーフレームは、異なる業務シナリオに沿って設定したためそれぞれが全く違うものになりました。業務シナリオやペルソナが異なると違った結果になることを体験いただけたかと思います。
ワークショップは参加者同士の会話からアイディアが広がる場合もあるので活発に発言する状態が望ましいのですが、初めはどうしても無言で付箋や画面に向き合ってしまいがちです。これはオフラインでも起こることですが、オンラインは発言がより減少してしまう傾向があります。
このコラムをご覧いただいているみなさんも、よく発言する数名と、その他、のような状態の会議に参加した経験があるのではないでしょうか?
ワークショップの雰囲気づくりもNCDCはしっかりサポートします。
ワークショップにNCDCの社員がメンバーの1人として参加し、付箋でアウトプットされた意見をみて足りなさそうなに部分を質問して、深堀りをします。議論が進みやすい雰囲気や情報整理は、ワークショップを円滑に行う上で重要なポイントです。
時間がたつにつれて参加者もワークショップに慣れてきて、チーム全体の発言量が増えて活発な雰囲気に変化していきました。
ワークショップを終えた感想
全体で5時間のワークショップを終えた感想をお伺いしました。一部抜粋してご紹介いたします。
- ワークショップの参加は初めてだったので、なかなかハードな内容だなと思った。だが今後社内で必要になるので、メンバーと一緒に経験できたことは非常に有意義だった。今度は社内メンバーだけで実施してみたい。
- ワークショップの中で出た意見は共通していたり、以前も検討したことがある内容だった。今後も定期的にワークショップを実施することでプロダクトを見直すことができると感じた。今後の開発に活かしたい。
- 本日の内容はマーケティングや営業活動でも使える知識だったので、営業担当者にも聞いてほしいと感じました。
- 全員がUI/UXデザインの基礎的な部分は理解できたと思います。共通認識が持てたのではないかと期待しています。
そして、研修としては以上で終りとなりましたが、NCDCのUXデザイン コンサルティングサービスがバトンを受けて、お客様のアプリケーションがより良くなるようにお客様を支援していきます。
潜入後記
潜入レポート第二弾、オンラインUX研修レポートはいかがでしたか?
昨今デジタル化の流れが加速したことで、ユーザーにとって使いやすいプロダクトやサービス設計の重要度が高まっていると感じています。デザイナーだけでなくエンジニアやマーケティング部門の方もUX/UIデザインを取り入れることで、よりユーザーに寄り添ったプロダクトやサービスの提供ができるのではないでしょうか。
NCDCのワークショップはお客さまのニーズに合わせて期間や内容のカスタマイズができます。
ビジネスに貢献するUX/UIデザイン だけでなく、新規サービス立案のプロセスを学ぶ内容 もご提供しています。
社内のデザイン人材育成に興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。