建設現場の施工管理(現場管理)をリモート化する方法

公開 : 2024.07.09 
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人手不足や長時間労働が慢性化している建設業においても、2024年4月からは時間外労働の上限規制が適用されるようになりました。この「2024年問題」に対応するため、建設業界ではDXの推進(新しいデジタル技術を用いた業務の効率化)が急務となっています。

施工管理(現場管理)の業務をリモートで効率化

建設DXのひとつとして、施工管理の業務をリモート化する動きが進んでいます。例えば、国土交通省ではICTの活用による効率化を推進しており、現場の「遠隔臨場」の試行など、従来の「現地で目視確認」という方法を変える(規制緩和する)ことによる負担軽減が模索されています。
(遠隔臨場とは、動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)によって取得した映像及び音声を利用し、遠隔地から Web 会議システム等を介して「段階確認」、「材料確認」と「立会」を行うことを指します)

NCDCでも建設業の効率化に役立つミエルコウジというサービスを提供しています。
本記事では、主に次の方を対象として、ミエルコウジのようなクラウドサービスを活用して現場を離れた遠隔地から現場管理を行うヒントをお伝えします。

主な対象

  • 施工会社の管理職(現場にはあまり行かない方)
  • 監理会社の担当者(顧客に変わって現場を定期的に確認する方)

現場の進捗状況を管理職がリモートで確認するには?

施工会社の管理職の方にお話を伺うと「現場の担当者は現場に直行・直帰するため、管理職には現場の状況がわかりづらい」という意見をよく聞きます。
また、遠方の現場が多い場合は「なるべく現地に行く頻度を少なくしたいが、管理の品質低下は避けたい」というお悩みもよく聞きます。

管理職の方が現場の状況を細かく把握するために、現場担当者に現場の作業が終わった後で詳細な日報を書いてもらっているというケースもあるのではないでしょうか。現場作業後に事務所に戻って書かなければならないこの日報作成業務は、現場担当者の残業(長時間労働)の要因のひとつになりえます。

今回は、この日々の進捗の報告に関する課題を解決するためのミエルコウジの機能をご紹介します。

ミエルコウジとは?

ミエルコウジは簡単にいうと複数の現場の情報を管理できるクラウドサービスです。
現場の担当者がスマホやタブレットで進捗を入力すると、その情報がリアルタイムにクラウドに保存されるため、管理者の方はインターネットを介して場所を問わずに随時進捗を確認することができます。

従来のやり方による日報で日々の進捗確認を行う場合、現場の方が一通りの現場作業を終えて報告書を作成・報告してからでないと、管理職の方がその日の進捗状況を知ることができませんでした。
写真については、現場点検者が持参したカメラで撮影して、事務所に戻ってからカメラのデータをPCに保存して手作業で報告書に載せるという作業をしていたケースも多く、現場の負担になっていたのではないでしょうか。

ミエルコウジではこうした日報作成にかかる作業の一部を省略して、直接クラウド場のデータで状況報告を行う。または、事務所にいる別のスタッフがクラウドからデータを取得して報告書の作成を代行する。日報を自動生成する(有償オプション)等の対応が可能になります。
こうしたクラウドサービスを活用すると現場の負担も軽減されますし、管理者もスピーディーに状況を把握できるようになります。

遠隔地から現場の進捗を確認する方法

続いて、ミエルコウジを用いて遠隔地から現場の進捗を確認する具体的な方法をご紹介します。
ミエルコウジでは、管理者が現場管理したい場所を事前に登録し、その場所の点検に用いるチェックシートを自由に作成することができます。また、管理箇所は図面と紐づけることができます。
そのため管理者は次の方法で現場の進捗を知ることができます。

  • 現場の一覧、管理箇所の一覧から工事の進捗を確認
  • 図面から工事の進捗を確認
  • 自社専用チェックリストを用いた現場の点検結果の確認
  • 写真による現場状況の確認
  • 日報による詳細の確認

現場の一覧、管理箇所の一覧から工事の進捗を確認

複数の現場の情報をデータ化して一元管理しているため、管理者はひとつひとつの報告書の中身を見なくても、現場の一覧から大まかな進捗状況を把握できるのもミエルコウジの特長です。
進捗は「実施前」「実施中」「完了」の3つの状態で分類されており、リスト表示される一覧画面では進捗状況で並び替えや、絞り込みを行うことができます。

リストビュー

図面から工事の進捗を確認

事前に図面を登録して管理箇所を図面上にプロットしておくと、リスト表示だけなく平面図で工事の進捗を確認することもできます。
平面図表示では、進捗状況に応じて図面上で色分けされて表示されるため、図面全体の中でどの箇所がどこまで作業が進んでいるのか、視覚的に進捗状況を把握することができます。

平図面ビュー

自社専用チェックリストを用いた現場の点検結果の確認

施工においては、工種や工法ごとに各工程で確認すべき項目が決められており、自社独自の管理基準やチェックシートが用意されているケースも多いのではないでしょうか。ミエルコウジでは現場ごとに自由にチェックリストを作成することができます。
現場の方にこのチェックリストを用いた点検を任せ、その結果を即時タブレット等を用いて記録してもらうと、自社の基準に沿った点検結果の詳細がリアルタイムで遠隔地から確認できるようになります。

チェックリストの設定

チェックリストは下図のように自由に管理項目を登録することが可能で、必要に応じてどのような値ならOKなのか管理値を表示したり、計測方法を表示したりもできます。

チェックリストの設定画面
現場ごとの管理許容値の設定

チェックリストを用いた点検記録

現場の方がミエルコウジにアクセスすると、自分が担当する管理箇所で点検すべき項目がわかる画面(チェックシート)が表示されます。
現場の方にはこのチェックシートに従って点検しながら、目視判定で「OK/NG」を記録する。特記事項があればテキストでメモを残す。写真を撮る。事前に設定した項目に対して実測値を記録する。などの点検結果の記録を行っていただきます。(実測値は入力しないようにすることも可能)

OK・NG判定の記録。実測値の入力など
特筆すべきことがあった場合、コメントを入力

写真による現場状況の確認

チェック項目にひも付けて写真を撮影することも可能です。撮影した写真は、現場名や撮影日、撮影者(点検を担当した現場ユーザー)等の記録とともに保存されます。
撮影した写真は画像一覧の画面で管理し、撮影日から写真を探したり、写真台帳に出力したりすることも可能です。

管理対象に関連する写真の一覧
写真詳細画面では現場名や撮影日などを確認可能

現場の方が作業箇所ごとにこのチェックリストに従い点検結果を記録し、最後に「完了」を選択することで、一覧画面や図面のステータスが「完了」となります。
遠隔地から管理者が確認する場合、「完了」になったものから順次見る、点検結果に「NG」があるものだけを抽出して見るなど、効率的な確認が行えます。

日報による詳細の確認

一定のチェックリストに対し、一定のフォーマットで日報を作成する場合、事前に日報のフォーマットをミエルコウジに登録しておき、日報の自動生成を行うことも可能です(有償オプション)。日報の自動生成を業務フローに取り入れることができれば、現場のスタッフが作業終了後に事務所に移動して日報を作成する負担をなくせる上に、管理者もスピーディーに状況を把握できるようになります。

また、ミエルコウジは、蓄積したデータを外部のシステムから使用するためのAPI(Application Programming Interface))を提供しています。このAPIを利用することで、他の帳票作成システムと連携し、ミエルコウジに登録されたデータを利用して他システムで日報を作成することも検討可能です。

遠隔地からの現場管理はNCDCにご相談ください

より詳しく知りたい方向けに、これらのミエルコウジの機能を体験していただける無料のデモをご用意しています。実際の画面を見てみたい方はお気軽にお問い合わせください

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