クラウドは意外と高い? コスト面のメリット・デメリットを解説

公開 : 2021.07.01  最終更新 : 2021.07.02
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アマゾン ウェブ サービス(AWS)をはじめとしたクラウドサービスが普及しはじめた頃、オンプレミス(自社運用)よりもコストを削減できることがクラウド移行のメリットとしてよく挙げられていました。
最近でも、クラウドへの移行を検討中の企業や、まだクラウドを活用しはじめて間もない企業では、コスト削減を主要なメリットのひとつと捉えているケースが多いかもしれません。

しかし、クラウドの活用方法が多様化してきた最近では単純に「クラウド利用=コスト削減」とはいえず、むしろ「クラウドは高い」という声も増えているようです。

この記事では、サーバをオンプレミスからAWSに移行したケースを例として、果たして本当にクラウドは高いのか? どうすればコストを抑えられるのか? を説明します。
(GCPやAzureにも置き換えて考えていただくことも可能な内容だと思います)

クラウドとオンプレミスのコスト比較

イレギュラーはありますが、AWSのようなクラウドサービスの費用は「使った分だけ毎月払う」かたちが原則です。使った分を払うので定額にはならず、長期的な費用の予測が立てにくい面があります。
一方で、オンプレミスの場合は「ハードウェアの購入等にかかる初期費用」が大きいが、ランニングコストは比較的低額で済み、長期的な費用の予測も立てやすいといえます。

単純なコストの比較としては、AWSに月々払った利用料の積算が同期間オンプレミスでサーバを運用した場合の予測費用(ハードウェア+α)を上回ると、クラウドの方が高いということになります。

なぜクラウドが高いと言われるのか?

本当にクラウドは高いのか? を知るために何年もかけて実際にかかった費用を比較する必要はありません。オンプレミスからクラウドへ移行する際は、ほとんどの企業で導入前にコスト比較の試算を行っているでしょう。
「3年間のトータルコストでクラウドに移行した方が安い」というような試算をしていた場合に、想定よりAWSに支払っている平均月額が高ければ、3年を待たずに「オンプレミスの費用を超える」可能性が見えてきます。

試算より月々の利用料が高かった。もしくは運用しているうちにAWSを利用する量が増えていき、必然的に従量課金の月々の利用料も想像以上に高くなっていった。そんな事態に直面した人から「意外とクラウドは高い」という意見が出ているのだと思われます。

クラウド(AWS)のコストを削減する方法①

実はクラウド活用によるコスト削減効果は単純にハードウェア部分の費用との比較では測れません(その理由は後述します)。
そのため、「AWS月額の積算 vs. ハードウェアの費用」のような単純な比較には問題があるのですが、この比較が成立すると仮定しても、本当にクラウドは高いのか?を考えるにあたっては重要な注意点があります。

それは「使った分だけ払う」AWSの利用料が「必要な分だけを使って払う」かたちになっているか?という問題です。
(言い換えると「不要な費用も払ってないか」という問題です)

従量課金型の料金体系は使用率の最適化(つまり本当に必要な分だけを使う)により費用を削減できますが、「AWSの利用料が意外と高い」場合、最適化せずに利用しているために無駄なコストが生じているケースも多いようです。
たとえば、夜間はほとんど利用されないシステムなのに夜間も日中と同じように使う設定になっていると「必要な分」以外の費用も支払う可能性が高くなります。

AWSのコストが気になる方は、大きな手間をかけずとも、「必要な分だけを使う」ように設定を最適化するだけでコスト削減が可能なことをぜひ覚えておいてください。

ここで「実際にAWSを使っているけど、設定の最適化ってどうやるの?」と考えた方がいれば、おそらくその方は現状無駄なコストを払ってしまっており、自力ですぐに改善するのは難しいのではないかと思います(超高度な知識が必要とは言いませんが、改善にはそれなりの知識を要します)。

NCDCでは、経験豊富なエンジニアがお客様に代わりAWSの利用状況を見直し、コスト削減を図る成果報酬型のサービスを提供していますので、利用中のAWSの設定が最適かどうか不安でコスト削減に取り組みたいという方はぜひ一度ご相談ください。

クラウド活用によるコスト面の多様なメリットとは?

先に「クラウド活用によるコスト削減効果は単純にハードウェア部分の比較では測れない」と書きました。
続いてこの点を説明します。

クラウド(AWS)に毎月支払う利用料を、直接的な「サーバにかかる費用」だけだと考えると、オンプレミスの場合にそれに該当する主な費用は「ハードウェアの調達にかかる費用」だといえます。
しかし、クラウドに移行することで減るのはハードウェアの代金だけではありません。
さすがに「ハードウェアがなくなれば機器のメンテナンス費用もいらなくなる」と気づく方は多いと思いますが、それでも多くの場合は通常の保守業務の費用くらいしか想定されないと思います。

実際には、オンプレミスでサーバを管理していると、「通常の保守業務」以外にもさまざまなコストが発生しています。
例を挙げるとこのようなものがあります。

  • 毎月の電気料金
  • 場所代(サーバの物理的なスペース)
  • ネットワークの構築コスト
  • 故障・障害時のコスト(人的資源や時間)※予測はできない
  • 利用量の急激な増減に対応するコスト(ハードの追加やそれにかかる人的資源や時間)※予測はできない
  • リプレースによるコスト(選定から設置までにかかる人的資源や時間を含む)

AWS等のクラウドサービスならこれらの多くが不要になる、もしくはオンプレミスと比較して大幅削減できるので、コスト削減のメリットとしてはこうしたものも考慮する必要があります。

とくに利用量が急激に増えたり障害が起きたりした場合に、オンプレミスだと長期間の停止や新たなハードウェアの調達が必要になる可能性があります。そうすると重要なシステムが思い通りに利用できず、その期間大きなビジネスのロスが起こる可能性もあります。

クラウドでも利用量の増加や障害への対応は必要ですが、サーバのある現地に行ってハードウェア自体をメンテナンスするような作業は必要ないので、比較的スピーディーで柔軟な対応が可能です。
なおかつ、クラウドの場合は物理的なハードウェアの不足は気にする必要がないので、事前に「利用量が増加した場合の対応を自動化しておく」というような設定もできます。
こうした柔軟性というクラウドの特長が、予測が難しい「将来の変化に対応するためのコスト」を削減するという面において実は大きな効果を発揮するといえます。

クラウド(AWS)のコストを削減する方法②

「自動化」に注目すると、AWSではサーバの運用にかかるさまざま手間を自動化できるサービスが用意されているので、そうしたサービスをうまく使うことで、ハードウェアだけではなくサーバに載せたソフトウェアの運用に関わるコストも削減できる可能性があります。

たとえば、AWSの提供するサービスを使うことで比較的容易にCI/CD※1の仕組みを構築することができます。CI/CDの仕組みが実現すれば、従来はシステム改修のたびに発生していた大きな手間とそれにかかる人件費も抑えることができます。
サーバレス※2と呼ばれる構成にしておけばサーバにかかる固定費用を大幅に抑えることができます。

※1:CI/CDとは「Continuous Integration/Continuous Delivery」の略で、日本語では継続的インティグレーション/継続的デリバリーといいます。ソフトウェアの変更を常にテストして自動で本番環境にリリース可能な状態にしておく、ソフトウェア開発の手法を意味します。

※2:サーバレスといっても本当にサーバの利用がゼロになるわけではありません。簡単にいうと、常時稼働の仮想サーバを持たずに、必要な時だけ仮想サーバを起動するような仕組みです。

CI/CDやサーバレスはほんの一部の例に過ぎませんが、このような先進的な、クラウドネイティブといわれる構成を導入することで、クラウドに移行するメリットはさまざまな面に波及していきます。

NCDCでは、こうしたクラウドネイティブなアーキテクチャの導入もご支援が可能です。
単純なクラウドへの置き換えではなく、クラウドのメリットを最大限に引き出した新たなシステムの運用のあり方まで考えたい方はぜひ一度ご相談ください。

クラウド活用によるコスト面の意外なデメリットとは?

何事も、対価なくメリットばかり享受できるわけではないので、最後にデメリットについても触れておきます。

先に書いた「先進的な、クラウドネイティブな構成」を実現するには、クラウドの中でも比較的新しい領域の技術を使いこなせる知識と技術を持ったエンジニアが必要になります。
進化が激しく新しい技術はそれを身につけている人材が少ないので、人材の確保という問題があることはデメリットだといえます。

とくに、ずっと自社のシステムをオンプレミスで運用していた企業などには、クラウドをフルに使いこなせるような人材がほとんどいないケースが多いようです。
コスト面に絞ってみても、既存の人材に新しい技術を学ばせるための学習コストや必要な人材を外部から連れてくる採用コストは、クラウド移行に関連して生じる新しいコストだといえます。

NCDCでは、クラウド活用のご支援をする際に、単純に受託開発するのではなく将来的にお客様社内で自律的に運用できるようにするための技術移管なども行なっています。
また、どんな人材を採用すべきかわからない企業向けにはDX人材採用のコンサルティングも可能です。
クラウドへの移行+長期的な自社でのクラウドの運用体制の構築も進めたいとい方はぜひ一度ご相談ください。

クラウドにかかるコストの考え方と最適化方法のまとめ

設定を見直すだけで削減できるコストもある
必要のないものは削除する、利用状況に応じたサイズに最適化するなど、設定を見直すだけでもコスト削減は可能です。
自社での設定改善が難しい企業向けにNCDCでは、お客様に代わりAWSの利用状況を見直し、コスト削減を図る成果報酬型のサービスを提供しています。

クラウドをうまく活用すれば幅広いコスト面のメリットも
クラウドを利用するなら、クラウドネイティブな構成にすることでさらに多面的なコスト面でのメリットを得ることも可能です。
NCDCでは、システムアーキテクチャコンサルティングなどのサービスを通じて、クラウドのメリットを最大限に引き出した新たなシステムの運用に取り組む企業のご支援もしています。

クラウドを使いこなすための学習コストは考慮が必要
クラウドをフルに使いこなせる人材が社内にいない場合、既存人材の学習コストや、新規人材の採用コストがかかる可能性があります。
NCDCでは、クラウド活用に取り組む企業が将来は自社内で自律的に運用できるようにするための技術移管や、DX人材採用のコンサルティングなどのサービスを通じて、こうした課題への対応もサポートしています。

クラウド移行の検討から最適なシステム構成の設計やその後の改善まで、一貫してご支援できることがNCDCの特長です。クラウドの活用では多くの実績を有していますので、コストの相談から先進的なシステムの構築まで、お気軽にご相談ください

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