チャットボットとは? 導入前のよくある疑問とPoCのやり方

公開 : 2021.06.30  最終更新 : 2021.07.01
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マーケティングの杉田です。
社内勉強会で「チャットボット」について取り上げました。

NCDCではチャットボットツールを販売しているわけではありませんので、お客様から相談があった場合にどのような観点でツールを選定しているのか? チャットボットに関してお客様によく質問されることは何か?等を中心に議論が行われまた。
その一部をご紹介したいと思います。

チャットボットとは

まずは基本概念の整理です。「チャットボット」とはチャット(雑談、会話)とボット(機械)を組み合わせた造語で、テキストや音声を通じて自動的に会話をする仕組みのことです。

Webサイトを見ていると「何か質問はありますか?」と問いかけてくれるポップアップや、運送会社さんによるLINEを使った配送連絡など、すでにチャットボットが実際のサービスに組み込まれている事例は数多くあります。
みなさんも一度はユーザーとして使用したことがあるのではないでしょうか。

チャットボットは大きく以下の2種類に分類されます。

AI非搭載型

ユーザーからの問いに対して、あらかじめ設定されている内容を返すものは「AI非搭載型」に分類できます。

例えば、ゴミの分類を判断してくれるチャットボットなどがこれにあたります。
チャットボットに「ガラスコップ」という言葉を投げかけると、あらかじめ登録されているゴミの分類リスト上で「ガラスコップ」が何に分類されているのかを探し、答え(下記図では「不燃ごみ」)をユーザーに返してくれます。

込み入った内容や複数の回答が予想されるような場面では、ユーザーの回答に応じて質問を分岐させるシナリオ型の対応もできますが、分岐の数や回答の種類が増えてシナリオが複雑になると、設定も複雑になります。

AI搭載型

自然言語解析機能を搭載しており、ユーザーの発言から文章の構成要素を把握して発言意図を汲み取り応答を返すものは「AI搭載型」と呼ばれています。

例えば、AI搭載型のチャットボットに「明日、美容室Aを予約して」と投げかけた場合、発言の意図が「実行すべきことは予約」「日付は明日」「対象は美容院」ということを把握し、不足情報である「時間」についての確認をユーザーに返してくれます。

チャットボット活用でよく聞く質問

ここで、チャットボット導入を検討されているお客様からよく聞く質問をまとめてみました。

チャットボットでいうところのAIとは何?

先に説明しましたが、AI搭載型のチャットボットでできることは「入力された文章についてAIが解釈する」ということです。
しかし、AI搭載型のチャットボットについて話していると「自動でAIが学習して、回答の精度が上がっていくんじゃないの?」という質問をされるケースが多いようです。
実は私も最初はそう思っていました!「AI=学習」というイメージが強いからでしょう。

「回答を自動でAIが学習して、回答の精度が上がっていく」ようにするためには「自然言語解析」とは別でそれが出来る仕組みを作る必要があります。
あくまで入力された文章にばらつきがあってもそれを「解析して理解できる」という点が、現在「AI搭載型チャットボット」と呼ばれているものの特長です。

チャットボットと人による回答を組み合わせられるか?

チャットボットにあらかじめ想定されるすべての回答を入れておくことは難しいので、「想定していない質問が来た場合にはオペレータさんに通知して、途中から人が答えるような仕組みにしたい」というご要望は多いようです。

この機能が実現できるかどうかは利用するチャットボット製品・サービスに依存しますが、何かしらのかたちで実現しているものが多いようです。製品によっては、人が答える必要が生じたらLINEに転送して人が(オペレータさん、もしくは担当者が)LINEで回答するような仕組みも実現できるようです。
そうなると比較的手軽に導入ができますよね!

チャットボット製品選定のポイントは?

チャットボット系のサービスは数多く提供されています。サービスのレベルが上がっているので、少しITリテラシーのある方ならだいたい使いこなせるのではないでしょうか。
一方でカスタマイズ性や費用は非常に幅がありますので、複数社比較して、自社の目的に合うサービスを選定することが重要です。

チャットボットのPoCを行いたい場合の構成は?

お客様から「手軽にチャットボットを試してみたい」というご相談を受けた場合、NCDCでは以下の2つのチャットボットのエンジンを組み合わせた構成を使っています。

両サービスとも利用者の多いサービスで日本語の情報も多く出回っているので、高度な専門知識がない方でも触ってみて、自社の目的に沿ったチャットボットづくりができそうか検討することはできると思います。

Google Dialogflowの特徴は、AI搭載型のチャットボットとして自然言語処理を用いて質問意図を正確に理解する部分かと思います。精度も十分高く操作画面もわかりやすいようなので、ITに精通していない方でもある程度使いこなせると思います。
しかし、下図にあるように質問内容によってサポート担当者にエスカレーションするといったことができません。

一方で、FlowXOは非AI搭載型のチャットボットですが、エスカレーションする機能を簡単に実装することができます。こちらも操作画面がわかりやすく直感的な操作が可能なようです。

下図はNCDCの勉強会で議論していた、DialogflowとFlowXOを組み合わせたチャットボットのPoCモデルです。この2つのツールを組み合わせることで、それぞれの特長を活かした実用的なチャットボットを作ることができます。

また、この構成は手軽に試す程度の条件下では費用がかからないのも魅力です。Google DialogfLowは1分当たり180リクエスト以下なら無料。FlowXOはフリープランがあります。

チャットボットの具体的な用途として、NCDCのお客様からは「社内からシステム部門への問い合わせに対して、チャットボットで回答を自動化したい」というご要望をよくいただくそうです。
その場合でも、Diglogflowからシステム部門で運用しているQ&Aのデータベースに接続し、回答をデータベースから引っ張ってくるような仕組みで比較的簡単に実装可能です。

チャットボット系のサービスは数多く提供されており、さまざまな機能を持った製品やサービスが市場に出ていますが、選定に迷う場合はいきなりあれこれと手を出さずに、まずはDialogflowとFlowXOを組み合わせて試してみることもおすすめです。
仮にDialogflowとFlowXOが最終的に選ぶべき選択肢ではなかったとしても、こうしたエンジンを用いて自作してみることで、チャットボットの考え方や仕組みが理解出来ると思います。

そして、チャットボットで何ができるのかをしっかり理解してから、本格展開に向けて市場のサービスや製品を選定すると、より自社の目的に合うものを選定することができるのではないかと思います。

チャットボットに関する相談はNCDCへ

NCDCではチャットボット製品を製造販売しているわけではありませんので、第三者の視点でお客様のやりたいことに最適なサービス選定を行うことができます。
また、チャットボットを組み合わせたシステムの開発を企画からUXの検討、PoC、改善まで一貫したご支援が可能です。

自社のサービスにあったチャットボットを開発したい。社内システムとチャットボットを連携させたい。よりよいUXを提供できる自社専用のアプリケーションをつくりたい…といったニーズをお持ちの方はぜひNCDCにご相談ください

前述したように本格的な開発の前にまず安価な仕組みを用いて効果検証するような場合は、試験用サービスの選定や、何が達成できたら次のステップに進むのか等を定めるPoCの計画立案からご支援することも可能です。

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