資料公開|ノンデザイナーが知っておくべき、UXデザインの基本とプロトタイピングツール

公開 : 2020.09.18 
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2020年9月8日にオンラインセミナー「ノンデザイナーが知っておくべき、UXデザインの基本とプロトタイピングツール」を開催いたしました。

主にデザイナー以外の方向けに、UXデザインとは何か? デザイナー以外はUXデザインのプロセスにどう関わるのか? UX/UIの検討に役立つプロトタイピングツールとはどんなものか? などを解説するセミナーです。
この記事では当日用いた資料を公開し、そのポイントをご紹介します。

NCDCでは定期的にこのようなセミナーを開催していますので、ご興味のある方はセミナー情報ページもご覧ください。

プロダクト・サービスの進化とUXデザイン

プロダクト・サービスの競争は、一般的には次のように進みます。

  1. まず基本機能の競争
  2. 基本機能での差別化が難しくなると、拡張機能や高性能化と価格の競争へ
    (多くの場合、高性能化してもコモディティ化により価格は下がっていく)
  3. 機能や性能では表せない、使いやすさや使う楽しさなどの競争へ

このように、基本機能の次は拡張機能や性能の競争というかたちで、まず技術面での競争へシフトしていくことが多いのですが、ユーザーにとって意味のある性能の進化には限界があるので、ある程度まで進化してしまうとこの競争のスピードは鈍化していきます。
(たとえば、4Kまではこぞって画質向上の競争が行われても、多くの一般ユーザーにとってそれ以上の画質は重要ではないので、「4Kより上」への進化は鈍化する)

技術面での競争が鈍化すると、その代わりに今度は機能、性能以外の面での差別化が始まります。
それは、使いやすさや使う楽しさをどう提供するかという競争です。技術の競争から、いわば、「気配り、心配りの競争」にシフトしていくのです。

事業者視点でわかりやすくいうと、ひたすら高性能化だけを目指したり、価格競争に走ったりせずに、この「気配り、心配り」で競争優位に立とうという取り組みが、「UX(ユーザーエクスペリエンス)をデザインする」ことだといえます。

  • 機能・性能・価格競争で差異が出せない
  • 機能・性能・価格である程度のユーザーニーズを満たした

こういったプロダクト・サービスに対しては、ユーザーはUXでの差別化を求める(心地よい体験、満足感を求める)ようになっていくのです。

性能や機能だけでなく体験を設計していく

事業者側の視点で見ると、技術の差がすぐに埋められてしまい、機能・性能や価格で圧倒的に他をリードすることが難しい現代は、よりよいUXを実現しないと自社のプロダクトやサービスがユーザーに選ばれない時代だといえます。
従来は性能や機能に力を注いで設計・実現していたように、これからはUXに注力してプロダクトやサービスを作らないと競争優位に立てなくなってきたのです。

性能の進化、拡張機能の進化、価格の競争の時代は、どちらかといえば事業者側の視点(プロダクトアウト)で、機能の実現方法や原価などを考えて実現するというかたちが取られてきました。
これはある意味、ロジカルに考えれば答えは出るやり方だといえます。

しかし、心地よさ、満足感で競う時代は、「ユーザーの感情」という曖昧なものを想像しながらプロダクト・サービスを実現する必要があります。従来の方法論だけでこうした課題に対応していくのは難しいといえます。
そこでUXデザインという考え方が重要になってきます。

UXデザインの取り入れ方

従来のビジネスモデルは基本的に事業者視点で、この事業は「儲かるのか?」を考えてきましたが、UXデザインの考え方ではまずユーザーの視点に立ち「ユーザーがそのサービスを使うのか?買うのか?」から考えていきます。

従来のビジネスモデルの組み立て方とUXデザインはそれぞれ別の視点から見るわけですが、この2つは「対」になっているといえます。
儲からなければ事業として成立しない(ユーザーは継続的に利用できない)。一方で、儲かるためにはユーザーがそのサービスを選び、対価を払ってくれないといけない。
こう考えると、「儲かるのか?」を軸にした従来の考え方だけではなく、UXデザインを取り入れてプロダクトやサービスを検討していくことはとても有用だといえます。

NCDCでは、新規サービスの支援を行う際に「ユーザー視点を取り入れた新規サービスのビジネスモデル検討」をよく行うのですが、その流れを簡単に整理すると下記のようになります。

  1. PEST分析
  2. 3C分析
  3. ビジネスモデルキャンバス作成
  4. ジャーニーマップ作成
  5. インサイト分析

1〜3は従来のビジネスモデル立案の流れです。
ここに4,5を足すことでUXデザインの視点を入れて、「本当にユーザーはそのプロダクト・サービスを使うのか?買うのか?」を検証するのです。

新規事業の検討プロセスについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
DX時代に必要な新規事業とは? 検討プロセス&フレームワークを一挙紹介!

UXデザインの一般的な理解・範囲

ここで少しUXデザインについて説明します。

UXという言葉は、多くの場合「UIデザイン」「UXデザイン」に関する話で用いられると思います。なかには「UI=UX」というような捉え方をしている方もいるようですが、決してそうではありません。
本来UXとは、対象物に関するユーザーの“さまざまな行動や感情”を含む「体験」全体を指すので、範囲がとても広いものです。
そのため、たとえばECサイトのUIデザインを改善するということが必ずしもUXの改善にはならないのです(「UI=UX」ではない)。

同じ「デザイン」という言葉でも、UXを「デザインする」というのは、デザイナーがUIを「デザインする」のとはまったく別の意味での「デザイン」だということを覚えておいてください。

UXとUIの説明はこちらの記事をご覧ください。
UXとUIの違いと関係。よくある2つの捉え方

UXデザインのフレームワーク

NCDCでは、初心者でも取り組みやすいジャーニーマップを中心としたUXデザインのプロセスをフレームワークとしてまとめているので、本セミナーではその概要を簡単に説明しました。

エレベーターピッチ

まず、UXデザインに取り組む関係者全員が「この商品やサービスはどんな価値を提供するものなのか?」という共通認識をまとめます。

ペルソナ定義

具体的な共通イメージを持ってユーザーの行動や思考を想定できるように、典型的なユーザー像を「ペルソナ」として定義します。名前、年齢、性別、家族構成、仕事、趣味…などさまざまな属性を決めて、人物像を具体的にしていきます。

ジャーニーマップ作成

先に定義したペルソナが対象(サービス・プロダクト)に関連してとる一連の行動(Do)と、の思考(Think)を抽出して、ユーザーの行動、感情・心理状態などを可視化します。

インサイト分析

ジャーニーマップからペルソナの内面(行動や思考に影響を与える本音)は何か?を導き出します。

解決策一覧作成

ジャーニーマップとインサイト分析からわかったユーザーの思考・本音に応える解決策を一覧にし、効果や実現可能性を加味して、取り入れるか否かを決めていきます。

UXプロトタイプ&ユーザーテスト

プロトタイプを作成してユーザー(仮想ユーザー)に試用してもらい、ここまで進めてきた仮説を検証します。

UXデザインのフレームワークについてはまた別の記事で詳しく紹介したいと思いますが、ご興味のある方は個別にご説明しますので、お気軽にお問い合わせください

プロトタイピングツールの紹介

本セミナーでは最後に、SketchAdobe XDFigmaInVision などのプロトタイピングツールを活用することで、UX/UIデザインのプロセスがどう変わるのか? 実際にUX/UIデザインのプロジェクトに携わっているデザイナーがSketchとInVisionをつかった実演で解説しました。

先に「機能・性能・価格で差別化が難しいプロダクト・サービスでは、心地よい体験、満足感が差別化要因になる」と説明しました。
しかし、デザイナーと担当者が仮の文言を置いた動かない画面設計案を見てUIを検討するというような昔からのフローだと、そのUIで本当に「ユーザーにとっての心地よい体験、満足感」を提供できるのかどうかを検証するのは難しいといえます。

そこでプロトタイピングツールが役に立ちます。

プロトタイピングツールをつかうと、実際にどんな文言のボタンがどこにあり、クリックするとどう画面遷移するのかまで、エンジニアによるプログラミング的な時間やコストのかかる作業を入れることなく簡易的な体験画面を用意できます。
容易にユーザーに試してもらうことができると「このUIで心地よい体験を生み出せるはず」という仮説をより高い精度で検証できるようになります。

また、こうしたツールの多くは簡単にユーザーにテストしてもらえる上に、そのフィードバックをコメントとして書き込んでもらうなどの機能もあります。
フィードバック後の再テストも容易なので、たとえばデザイナーが最初に用意したA案とユーザーのフィードバックを受けて改修したB案を用意して、それぞれのUIで体験・満足感にどのような違いがあるかという検証も簡単にできます。

デザイナーではない方が全体のデザインの整合性まで考慮して意見をいうのは難しいので、従来のやり方だと、本当は何か気になることがあっても「デザイナーの言う通りにしておこう」と考えて声に出せない関係者が多かったのではないかと思います。
こうしたプロトタイピングツールで試したり、何度か検証を繰り返したりできる環境があると、デザイナー以外の関係者も自由に思ったことを言いやすく、商品やサービスのUXデザインを自分ごととして考えやすくなるのではないでしょうか。

まとめ

  • 機能・性能や価格での差別化が難しい分野ではよりよいUXを提供しないと自社のプロダクトやサービスがユーザーに選ばれない。
  • よりよいUX(心地よさ、気持ちよさ、満足感)を実現するためには、ユーザーの感情を想像しながらプロダクトやサービスを企画することが大切。
  • 心地よさ、気持ちよさ、満足感といった抽象度が高く、わかりにくいコトを実現するために、UXデザインという考え方やプロトタイピングツールがある。

NCDCでは、UXデザインの手法を取り入れた新規サービスの立案支援から、アプリのUIなど具体的なインターフェースの設計まで、UX/UIの改善に役立つさまざまなサービスを提供しています。

また、初心者でも取り組みやすいジャーニーマップを中心としたUXデザインのプロセスをフレームワークとしてまとめているので、短期間のプロジェクトや、UXデザイン研修などのニーズにもお応えできます。

ご興味を持っていただいた方はぜひご相談ください

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