NCDCでは、UXデザインの手法と先端的なテクノロジーを活用した新規ビジネスの立ち上げのサポートを得意としており、「新サービスの立ち上げ」という分野に関連するものとしては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)コンサルティングや、新規サービス実現コンサルティング、UXデザインコンサルティングなどのサービスを提供しています。
最近は新サービスの検討においてまずUXデザインの観点からアプローチするというケースも増えていますが、本コラムではUXデザインを適用するもっと前の段階である、「全くのゼロベースから新サービスや新製品の候補を挙げるまでのプロセス」についてNCDCが標準的に採用している手法を簡単にご紹介したいと思います。
1.外部環境分析
まず、新しいサービスを考える時、世の中のトレンドがどうなっているかを知り、共通認識を持つ必要があります。そのためには非常に一般的なPEST分析を使えば良いと思います。PEST分析の中でも特にSocial factorとTechnological factorは重要だと個人的には思っています。この二つによって大きくサービスが変わってくるからです。例えばTechnological factorにおいて、スマートフォンやSNSの出現は非常に大きなインパクトを与えることはだれでも想像できるでしょう。
2.事業環境分析
PEST分析の後は3C分析またはSWOT分析を行ないます。この段階で自社と自社を取り巻く環境について整理します。私は個人的には3C分析をお勧めします。事業やサービスを考える上で一番大切なのが、「市場があるか?」「市場を作れるか?」であり、その次が「自社の特徴や強みが活かせるか」です。この時点で競合のCの分析はそんなに深くやる必要はないでしょう。
3.アイデア出し
この段階まで様々な知識や考えが整理できてくると、後はアイデアをひねり出します。ここでは非常にメジャーなブレインストーミングが良いでしょう。1000個くらいのアイデアを出すのが良いと思います。1000個アイデアを出すためには、すでに出ているものをヒントにして新しいアイデアを考えたり、すでに出ているもの同士を統合して新しいアイデアを考えたりします。
4.アイデアの絞込
評価基準を作成し、その評価基準にそって、アイデアを5つ以下に絞り込みます。評価基準として「いつ、どのくらいのコストをかけて実現可能か?」の視点は必ず必要です。1年後に実現するものなのか?3年後に実現を目指すものなのか?それまでにどのくらいコストがかけられるのか?を避けてプランを選定しても実現ができません。
5.事業性判断
選定されたアイデアそれぞれにに対して、ビジネスモデルキャンバスのフレームワークを活用して、事業性を確認します。ビジネスモデルキャンバスは事業が継続して成長するために必要な要素が整理されています。従って、一つでも欠けていたり、矛盾があれば、その事業の成功確率は下がるでしょう。
NCDCでは昨年末にはじめてのソフトウェア製品であるAppPotを開発・販売をはじめました。どのような製品が良いのか?をゼロベースから考えて作りました。その際にも上記のプロセスを採用しました。
当時、ビジネスモデルキャンバスを使って整理したホワイトボードはこれです。社員全員でこのホワイトボードで整理、議論して、「これはいける!」と判断して、開発コードをStew(食べ物のシチュー)としたのです。
また、NCDCでは前述したコンサルティングサービスだけでなく、短期間で上記の分析やアイディア出しに取り組む新サービス開発のためのワークショップも提供しています。
実際に新規サービスを立ち上げるというケース以外でも、社員研修のひとつとして導入されているお客さまもいます。
ぜひ、ご興味のある方はご連絡ください。
早津俊秀