鉄道技術展2025においてNCDCが支援するプロジェクトが展示されました

公開 : 2025.12.18 
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NCDCのマーケティング担当、播磨です。

先日、幕張メッセで開催された「第9回鉄道技術展2025」に行ってきました。
鉄道技術展は、鉄道車両、運行管理、旅客設備、軌道・土木関連など、鉄道分野の最新技術が一堂に会する国内最大級の専門展示会です。

NCDCは出展社ではないのですが、私たちがサポートしている複数のプロジェクトが展示されていたため、見学させていただきました。

JR東日本さまのブースで複数のプロジェクトを拝見

私が会場を訪問したのは金曜日の午後。こうした展示会では来場者がもっとも多い時間帯でしたが、それを考慮してもJR東日本さまのブースは想像以上の盛況ぶりでした。

盛況だったJR東日本ブース(一部加工済)


ウォークスルー改札、没入型遠隔観光体験などの体験型の展示のほか、技術開発の成果を紹介するコーナーがあり、そこにはNCDCがサポートしているプロジェクトたちも展示されていました。

1.軌道回路故障原因調査支援システム(キドコ)

NCDCがサポートしているプロジェクトの一つは「軌道回路故障原因調査支援システム」です。
「軌道回路」は、列車がいる場所を検知するシステムで、列車の安全な運行に欠かせないものです。故障時には早期復旧が求められる一方、原因特定には人海戦術で対応せざるを得ないため、復旧に多くの時間を要してしまうこともあります。

鉄道技術展で展示されていた軌道回路故障原因調査支援システム「キドコ」は、簡単にいえば、人海戦術や経験者の勘だけに依存しないよう、早期復旧をITで支援するシステムです。マニュアル化された復旧手順や、原因特定のために頼りにしていたベテランのノウハウを取り入れたシステムで、これを用いることで素早く故障箇所を絞り込むことができます。

NCDCがサポートさせていただいたキドコの開発プロジェクトは、本Webサイトで事例紹介記事として公開しています。詳細は下記のページでご覧ください。

NCDCがサポートしているプロジェクトの展示

2.車両の安全を守る「車両データ分析アプリ」

もうひとつ展示されていたのは「車両データ分析アプリ」。
鉄道車両の安全な運行には、車両や設備の維持管理が欠かせません。従来は定期的な検査や保全作業を行う「時間基準保全(TBM:Time Based Maintenance)」という方法が一般的でしたが、より高い安全性と生産性向上を目指し、トラブルや事故の予兆を把握して故障前に対応する「状態基準保全(CBM:Condition Based Maintenance)」へシフトしているそうです。

トラブルや事故の予兆を把握するためには、常に最新の状態を把握することが必要です。近年、IoTセンサーなどを使うことで設備の状態をリアルタイムに監視できる環境が整ってきたため、状態基準保全が可能になってきたという背景があります。

車両データ分析アプリは、この「車両の状態基準保全を行う」という取り組みを支えるシステムです。車両から日々収集される膨大なデータから最新の状態をスピーディーに可視化することで、車両検修社員のメンテナンス業務を支援します。

このプロジェクトも一部当社の記事で紹介していますので、詳細は下記のページでご覧ください。

現場の課題を技術で解決する取り組み

現場の課題を技術で解決する文化を支える制度として、JR東日本さまには「現場第一線における技術開発」という仕組みがあるそうです。
これは、現場社員発のアイデアを起点に、一定の予算内であれば比較的自由に開発を行える制度で、1988年の開始から実績を積み重ねてきたとのこと。

「現場第一線における技術開発」の取り組みはJR東日本研究開発センターのWebページで紹介されていますので、最新情報はリンク先をご覧ください。
https://www.jreast.co.jp/development/field/

先日の「鉄道技術展2025」では、長い歴史と数多くの成果を持つこの取り組みを、社内外へ広く伝えていくための新ブランド「GENICHI」も紹介されていました。
GENICHIでは、「現場第一線における技術開発」の成果のうち、社外に販売が可能な製品の情報を発信していくそうです。

当社は「GENICHI」のブランド開発についても一部サポートしており、JR東日本さまのブースにクリエイティブパートナーとしてNCDCのロゴも掲載していただきました(上の写真の右下に注目)。

ドローンで鉄道施設を点検する「Project SPARROW」

鉄道技術展には、JR東日本さまのブース以外にも、NCDCが関わっているプロジェクトが展示されているブースがありました。
私たちが一部システム開発をサポートしているLiberawareさまの「Project SPARROW」です。

「Project SPARROW」とは、ドローンを活用した鉄道施設の点検・保守ソリューションです。

「Project SPARROW」について
鉄道現場における巡視をはじめとする様々な点検や災害時の施設の確認ができる自動巡回型ドローンと、収集した情報を閲覧・分析できるデジタルツインプラットフォームを開発し、鉄道インフラ点検の安全性と生産性を向上させます。
特に、人口減少が深刻な地方路線において、当該ソリューションは大きな効果を発揮します。さらに、災害発生時にドローンが現地でデータを収集することで、復旧時間を短縮し、対応力を強化します。これにより、強靭(レジリエンス)なインフラを創造し、安全・安心な社会の実現に向けて邁進していきます。

詳しくはLiberawareさまのWebサイトでご覧ください。
Liberawareさまのニュースリリースはこちら

安全運行をテクノロジーで支える

鉄道業界では保有するインフラの老朽化が進み、点検・保守業務が増加する一方で、人手不足という課題も深刻化しています。鉄道技術展2025で強く感じたのは、鉄道業界が大きな転換期にあるということです。
鉄道業界にとって「安全運行」がもっとも大切であるという基本は変わりませんが、技術革新によって、その実現方法がデジタル技術、AI、ドローンなどの先進技術へシフトしはじめています。

そして、その変革の最前線にあるプロジェクトにNCDCも関われていることを実感しました。

DXのご相談はNCDCへ

今回は、鉄道技術展をきっかけに鉄道業界のプロジェクトを紹介しましたが、NCDCは、業界を問わず、このようなデジタル活用の先進的な取り組みをされている企業をサポートした実績が豊富にあります。
とくにAI、IoT、クラウド、モバイルなどの新しい領域の技術を取り入れたシステムの開発に企画段階から参画し、検証から開発・運用までサポートできるのが特長です。DX推進のパートナーをお探しの方は、ぜひご相談ください

ちなみに、次回の鉄道技術展は2027年に幕張メッセで開催予定です。

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