事例紹介

事例紹介
次期ICT戦略を発端に全社で動きはじめたDX推進プロジェクト
八千代エンジニヤリング株式会社様

社会課題を解決する総合建設コンサルタントとして、安全、利便性そして経済活動を支えるインフラ整備に貢献している八千代エンジニヤリング株式会社。
同社が取り組んでいるDXプロジェクトについて、関係者の皆様に話を伺いました。

お客さまのニーズ
DX戦略を見据えて新たなICT計画を立てるにあたり、DXに関する知見を持ち、システム検討までサポートできる外部専門家の意見が欲しい。
NCDCの役割
ICT計画の策定支援を軸にしたDXコンサルティングから、社内システムクラウド移行計画の検討支援、SaaSの選定支援まで幅広く担当。

ビジネスの変革を見据えたICT計画

── 2020年からDXプロジェクトの取り組みをはじめて、2021年7月には専任のDX組織も立ち上げられたそうですが、その経緯や目的を教えていただけますか?
── 2020年からDXプロジェクトの取り組みをはじめて、2021年7月には専任のDX組織も立ち上げられたそうですが、その経緯や目的を教えていただけますか?

吉田氏 ── きっかけは第二期ICT戦略の3ヵ年計画の立案です。ちょうどその頃に世間でDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されはじめ、当社でも議論の対象となりました。
従来の(第一期)ICT戦略は、社内IT環境の改善を中心とした内容でしたが、第二期の計画立案と同時期に社内でDXのための新組織づくりも検討されはじめたため、IT環境のみならず様々なプロセスの見直しが必要との観点から、社外の専門家の意見も取り入れてDX戦略に踏み込んだICT戦略をまとめていこうと考えました。

── そこで外部の専門家としてNCDCに声をかけていただいたのですね。ICT戦略がきっかけだったとはいえ、IT領域の話だけではなく「ビジネスの在り方自体も変革が必要」という話を当初からされていたのが印象的です。

吉田氏 ── 会社全体の目標に目を向けると、官公庁向け事業から民間向け事業への拡大や研究開発の重視など、今後の当社にとって重要なテーマがいくつかありました。当然、これらを念頭に置いてDX戦略を考える必要があるため、経営、営業、執行、研究開発など各部門のメンバーが参加して議論する場をつくり、幅広いテーマを合わせて議論していくことになったのです。
私自身はシステム部門の部長として、DXを支えるシステム的な基盤づくりをするためにプロジェクトに参画していましたが、システム面だけではなく新しいビジネスのやり方へのトランスフォーメーションを考えていくきっかけの場にできたと思います。

プロジェクトの概要

NCDCからのご支援は複数の段階に分かれており、Phase1(2020年10月〜2021年2月)では「データドリブンビジネスへの変革・OMO施策の検討」「働き方改革・業務効率化等のITアーキテクチャ検討」などを実施。
次のPhase2(2021年4月〜2021年8月)では「社内システム開発環境およびクラウド移行計画の検討」「データアーキテクチャ検討」「新たなセキュリティ対策の検討」などを実施。
いずれもIT領域だけに閉じた検討ではなく、ビジネスモデルや働き方の変化など幅広いテーマを見据えてシステム検討を行っている。
また、今後取り組むPhase3以降では「人事系システムの見直し」「営業系システムの見直し」などが予定されている。

── 現在DX推進室室長である畑様はDXプロジェクトにどのような関わり方をされていたのですか?
── 現在DX推進室室長である畑様はDXプロジェクトにどのような関わり方をされていたのですか?

畑氏 ── 私自身はプロジェクト初期のメンバーには入っておらず、2021年の7月にDX推進室が新設されてから関与するようになりました。それ以前は技術部門や経営企画部門にいたので、専門的なIT知識をほとんど持ち合わせていません。
ただ、当社では「DX=ICT」とは考えていないので、IT目線ではなく全体最適目線で業務プロセス改善に取り組んでいければと考えています。

── DX推進室ができてからまだ数ヶ月ですが、室長という立場から見てここまでは順調に進んでいますか?

畑氏 ── DXの取り組みの考え方は、会社によっても、人によっても違います。当社の中でも人それぞれで、多少意識の違いがあると思っています。
ただ、自分がDX推進室に着任する前にプロジェクトチームで多様な議論をしておいてもらったおかげで「DX=ICTではない。つまりシステムの話がメインではない」という前提条件を社内に向けて広く共有できていたのはとても良かったと思います。

既存業務フローありきの考え方からの脱却

── 少し話が遡りますが、NCDCを選んでいただいた理由を教えてください。
── 少し話が遡りますが、NCDCを選んでいただいた理由を教えてください。

吉田氏 ── まず、ITコンサル、経営コンサル、その両方の機能を持つところなど複数の候補に話を聞かせてもらい、その中からNCDCさんを選びました。
大手のコンサル会社からは常駐スタッフを派遣するとの提案も受けましたが、こちらとしては常駐までは求めておらずお断りしました。一方、ビジネスからITまで幅広い知識を持ったコンサルタントが参画して週に1回程度のディスカッションを行い、約3ヶ月で提言をまとめるというNCDCさんからの提案は、当社の期待に沿っていたのです。
また、NCDCさんは規模やサービス内容(コンサルティング)が比較的当社と似ているので、同じ様な課題解決に取り組まれていたり、親身になって相談に乗ってくれたりしそうな気がしたのも選んだ理由のひとつです。

── 実際のプロジェクトが始まってからのご感想を教えてください。

吉田氏 ── 期待以上に、親身になって取り組んでくれましたね。定例会議以外でも、社内の議論だけでは判断できず少し外部の意見を聞きたいと思ったときに連絡すると、時間を取ってすぐに相談に応じてくれるのがありがたかったです。

── 吉田様と同じくシステム部門からプロジェクトに参加された佐々木様はいかがでしたか?
── 吉田様と同じくシステム部門からプロジェクトに参加された佐々木様はいかがでしたか?

佐々木氏 ── 私は主に、現行システムを調べてICT計画の議論の場に持ってくるような役割を担っていました。今振り返ると、おそらく社内のメンバーだけで検討していたら「現状の業務フローをそのまま維持する前提で、どうやって新しいシステムにするか」という議論しかできなかっただろうと思います。
NCDCさんから「まず業務フローの見直しがあるべきではないか」と言われて、その必要性に気づけたのがとても有意義だったと思います。

── たしか、NCDCが議論に参画しはじめた頃は「現行システムは業務フローに合わせた特殊なものが多いのでSaaSに置き換えるのは難しい」という話がありましたね。

吉田氏 ── 最近は、SaaSの利用を前提に業務フローを見直す方向で動いているものもいくつかあります。
以前は、社内業務の特殊性からSaaS利用は難しいという前提で考えていたのですが、NCDCさんとの議論の中で「世間一般では、または他社さんの事例では」などNCDCさんの知見をもとにした提案を受け、「業務フローなどを抜本的に見直し、SaaSを軸にシフトすべきではないか」との考えに至りました。

畑氏 ── 私も最初は自社にとって理想的なフローは何かを考えて、それをシステム化しようと思っていましたが、人事や経理のシステムはパッケージ(SaaS)に合わせない限りどうしても多くのカスタマイズが必要になります。また人事部門や経理部門の業務は法律に合わせた管理が必要で、独自のシステムを作ってしまうと法改正時の対応が大変になる恐れもあります。SaaSなら事業者側で法改正に合わせて改修してくれるので、そこに業務フローを合わせいく方がいいのではないかと議論しているところです。
一方で、営業部門やプロジェクト管理で使うシステムは法律の制約はあまりないので、パッケージ(SaaS)にこだわらずに自社独自の業務プロセスに合いそうなシステムを模索していく方針です。

社内システム見直しのための検討資料の一部

佐々木氏 ── SaaS利用の方針にした後も、NCDCさんには業務フローをしっかり理解した上で、中立の視点で各ベンダーの情報を整理し評価をしてもらえたので参考になりました。
第三者視点をもって議論をリードしてもらえたことがとても良かったと思います。

社外の視点を取り入れた検討のプロセスに価値があった

── 「データドリブンビジネスへの変革」のような大きなテーマから「SaaS選定」のような的を絞ったものまで多くの要素がありましたが、NCDCのご支援の総合的な評価はいかがですか?
── 「データドリブンビジネスへの変革」のような大きなテーマから「SaaS選定」のような的を絞ったものまで多くの要素がありましたが、NCDCのご支援の総合的な評価はいかがですか?

吉田氏 ── とにかく社外の視点をとり入れ、議論できたことが良かったと感じています。自社だけで検討したものとNCDCさんと一緒に検討したものでは、仮に結論が同じだったとしても、その裏付けの厚みがまったく違ったと思っています。
NCDCさんとの議論を通じて気づきをたくさん得られました。それにより底上げしてもらったこともあれば、今までの自分達のやり方で大丈夫だと確信を得られたところもあります。世間に遅れている部分も、世間並や世間より多少先を進めているのかなという部分も、外部の視点で確認できたことは今後のために有効でした。

── もう少し具体的にいうと、どのような「気づき」がありましたか?

吉田氏 ── 自分の担当領域であるシステム部門でいうと、セキュリティやネットワーク、アプリケーション開発の考え方、開発に用いる言語など、ITの各要素まで分解して自社の状況が確認できました。
会社全体の話に関しても「経営指標としてこれを意識した方がいい」「他の会社ではこうしている」などのアドバイスを、事例も交えてインプットしてもらえたのが良かったです。
社外の視点を得たことで、今までの方法は自社内だけの「常識」だったのかと気づいたことは多々ありました。

畑氏 ── 自分の会社しか知らないと井の中の蛙になってしまいがちです。私も自社の固定概念を外して「世の中ではこういうやり方が常識になってきている」という知識を得られたのはとても良かったと思います。
具体例を挙げると、現在はプロジェクトの予算と実績の数字を照らし合わせる目的で2つのシステム間で情報を行ったり来たりさせて、処理に長い時間がかかっているものがあります。それが当たり前だと思い誰も疑問視していなかったのですが、NCDCさんに「今後もそれをやる必要がありますか?」と聞かれて、よく考えたらなくてもいいプロセスではないかと気づいたことがあります。そんな処理をしなくても実は問題があるほど数字のズレは出ないとわかり、目から鱗が落ちるような発見でした。この点は、今後社内のルールを改善していこうと考えています。

吉田氏 ── NCDCさんに「何故こういう仕様になっているのですか?」と聞かれても、こちらは疑問すら感じてなかったので質問に答えられないことが何度かありましたね。その都度発見がありました。

── NCDCは特定の業界に強みをもったコンサルティング会社ではないのですが、その分、業界の常識などに捉われず議論ができることが特長だといえます。

畑氏 ── 他業界の話などを参考にできる方が有効なことも多かったと思います。これからも、社外の方だから見える改善点などがあれば、アドバイスはどんどんもらいたいです。

DXそのものが目的ではなく、持続発展していくための手段

── 今後も関連プロジェクトは続いていくと思います。その目標や、当社への期待を教えてください。
── 今後も関連プロジェクトは続いていくと思います。その目標や、当社への期待を教えてください。

畑氏 ── 当社にとっては、DXは手段です。当社が持続発展していくためにDXを推進するので、現在の取り組みを事業の成長につなげていく必要があります。そのためにもデータを活用した経営への変革を促し、社員がもっと働きがいをもって活躍できる環境をつくり、事業を通じた社会貢献に役立てていきたいですね。
今はまだそのための基盤づくりに取り組みはじめた段階なので、NCDCさんの支援を受けながらまず基盤をできるだけ早く固めることが大切です。
そして、出来上がった基盤の上で取り組む新しい事業の開発など、当社の未来をつくるような部分でもNCDCさんと一緒にやっていけると良いなと考えています。

──︎ 私たちもお客様が本気で取り組まれているDXプロジェクトを継続的にご支援できることに価値を感じています。今後も幅広くお手伝いできることを楽しみにしています。

畑氏 ── NCDCさんは本来守備範囲じゃない領域でも、お願いしたらなんとかしましょうと言ってくれますよね。自社の得になるところだけではなく、相手の求めに親身になって応じてくれる。そういう姿勢で関わってもらえるのが当社に合っているのかなと感じています。

畑 浩太 氏
畑 浩太 氏
技術管理本部 DX推進室 室長
吉田 武司 氏
吉田 武司 氏
技術管理本部 情報技術部 部長
佐々木 正樹 氏
佐々木 正樹 氏
技術管理本部 情報技術部 情報システム課チーフ
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