資料公開|成功する新規サービスは立ち上げ時に何をしている?運営のポイントを学ぶ

公開 : 2020.11.26  最終更新 : 2021.06.23
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2020年11月25日にオンラインセミナー「成功する新規サービスは立ち上げ時に何をしている?運営のポイントを学ぶ」を開催いたしました。
この記事では当日用いた資料を公開し、そのポイントをご紹介します。

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DXのひとつとしての「新規サービス」

最近はDXという言葉がよく使われますが、大別すると以下の2つに分けられます。

  • デジタルを活用した新たな収益源を作る「新規サービス系DX」
  • デジタルを活用して既存業務の変革を行う「業務改⾰系DX」

NCDCはデジタルを活用した新規サービスのご支援を得意としているので、将来の新しい収益の柱を生み出すための「新規サービス系DX」といった位置付けのプロジェクトに参加させていただく機会が多くあります。
このセミナーでは、そうした新規サービス系DXを実現していく上で、落とし穴になったり、見落としたりしがちな業務、運営のポイントについて説明します。

サービスリリース品質

最近は、いきなり大きく新規事業を始めるのではなく、まず必要最小限の機能で市場の評価を収集して、改善しながらサービスを育てていく進め方が浸透してきています。
別の言い方をすると、まずMVP(Minimum Viable Productの略。「実⽤最⼩限の製品」)を用いて、PoC (Proof of Conceptの略。「概念実証」)を行う進め方です。

こうした進め方ではリリース・改善・リリース…というサイクルを回すスピードが重要なのですが、日本企業では必要最小限の「機能」であっても、それなりの「品質」を期待してしまう傾向が強いようです。

そのため、PoCをスムーズに行う準備として、その段階でどの程度の「品質」を求めるのか(たとえば下記の課題をどう考えるか)方針を定めておく必要があります。

  • ユーザーが想定外の操作をした場合にエラー画面が出るのは許容する?
  • 古い端末など、テストをしていない環境でうまく動作しない場合があるのは許容する?
  • サーバーがダウンしてアクセスできないなど、万一のトラブルへの備えまでは用意しなくても問題ない?
  • PoCの段階では厳しいセキュリティテストまで課さなくても良い?

とくにデジタルプロダクトで「社内の規定で実はセキュリティ診断が必要だった」というような問題がリリース直前に発覚すると、全体のスケジュールに悪影響を及ぼします。また、想定外の高い品質基準が出てくるとコストに与えるインパクトも大きいため、そうした社内のルールなどもしっかり抑えて事前の計画を立てておくことが重要です。

準備のポイント
PoCやMVPとなると機能に論点が集中して、品質の定義が抜け落ちている場合があるので、必要な品質についても事前に定義・計画することが大切。

マーケティング&セールス戦略

新規サービスのご支援をしていると、よくリリースできる段階までプロダクトを用意してから、やっとマーケティングやセールスの施策に着手するというスケジュール案を目にします。
少ない人数で新規サービスの開発に取り組んでいる場合、サービスそのものの実現に意識がいってしまうのはある意味仕方ないのですが、マーケティングやセールスの準備ができてからが本当のサービスリリースとなります。

プロダクトは用意できているのにマーケティングやセールスの準備ができていないために実質リリースが遅れてしまうというのは時間がもったいないので、たとえばPoCが済み、一般ユーザー向けの本開発やテストがはじまったら、その期間に並行してマーケティングやセールスの施策を検討しておくような進め方が必要になります。

マーケティング施策としてはサービスを知ってもらう活動として、「何を」「誰と」「どのくらいの予算で」行うか?を考えます。

  • どのような媒体を使うのか?(ランディングページ、リスティング広告、紙媒体、セミナー、イベント出展、協賛企画、メディア広告、SNS、CM…)
  • それぞれ自社で業者選定するのか? 広告代理店に一括でお任せするのか?
  • コストはどのくらいかかるのか? どの事業部の予算を使うのか?

セールス施策としては、どのような販売方法を採用するのか?営業組織にどう動いてもらうのか?を考えます。

  • 既存の営業組織と新規サービスの関係はどうする?
  • 新規サービスを担当する営業の目標や評価指標はどう定めるのか?
  • 営業ツールの整備は誰がやるのか?

社内のリソースを使う場合でも、急にできるものではなく時間を要するので事前の計画が大切です。

準備のポイント
他の作業と並行してマーケティングやセールスの施策も検討しておく。とくに「新規サービスを売る」という段階になって営業組織の協力が得られていないことが発覚するケースが多いので、事前にしっかり社内への説明や意識の共有を図るこが大切。

オペレーション実行

サービスを運用していくためには、たくさんの業務が必要です。新規事業は立ち上げるまでが大変ですが、実はサービスがスタートしてからの日々のオペレーションの方が顧客体験(UX)に直接影響を与えるため、しっかりした設計と実行が必要です。

この中には見落としがちだけども意外と手間がかかるものが多いので、(たとえば下記の対応をどう行うのか)対応窓口やフローを決めて準備しておく必要があります。

  • サービス内容に関する問い合わせ(メール、電話)
  • 契約・解約に関する問い合わせ(メール、電話)
  • 使用方法や不具合に関する問い合わせ(メール、電話)
  • 請求書発行・送付業務
  • 社内システムや経理部門との連携
  • その他各種トラブル対応

日々のオペレーションを計画するためには、当然「誰がどんなシステムを使って実行するのか?」まで考える必要があります。

誰が実行するのか

  • メンバー(社員)で行う?
  • 外部委託する(すべてアウトソースする)?
  • 外部委託する(派遣人材を活用する)?

どんなシステムを使うのか

  • 専用の業務システムをつくる?
  • SaaSとして提供されている業務システムを利用する?

それぞれメリット・デメリットはありますが、人員に関しては、すべてアウトソースするとなるとコストが大きく事前のマニュアル準備なども大変なので、既存メンバーに派遣人材を補強するなどして対応するのが良いかもしれません。
またDXという観点でいうと、業務のデジタル化(効率化)によって生じてしまった社内の余剰人員を配置転換してきて新規部門で活用することも検討すべきです。

システムに関しては、昨今は多くの一般的な業務システムがSaaSとして提供されているので、できるだけそういったものを利用するのがオススメです。

準備のポイント
オペレーション実行は顧客体験(UX)に直接影響を与えるため、新規サービスの成否にとって重要なものだが、立ち上げ時から大きなリソースを割くことは難しい。多角的にメリット・デメリットを考慮して人員やツールを検討することが大切。

契約・計上関連

新規サービスの場合、契約形態や契約のフローなどが既存ビジネスと同じになるとは限りません。近年はサブスクリプション型のビジネスをはじめるケースも多いので、ここではその場合の注意点をお伝えします。

たとえば、「月額1,000円のサブスクリプション契約」でサービスを提供すると決めたとしても、それだけでは契約のルールとして不十分です。
例を挙げると、下記のようなことまで決めておく必要があります。

  • 最短契約期間は?
  • 契約・解約時の日割りの考え方は?
  • 決済手段は何にする?
  • 入金確認はどう行う?
  • 請求書の発行はどうする?
  • 年間一括払いの場合の売上計上方法は?

サービスの種類によってはキャンペーンで無料期間を設けたりディスカウントを設定したりすることもありえるので、そうした施策のことも考えておく必要があります。

準備のポイント
単にいくらで売るかを決めるだけでなく、契約や解約、売上計上の考え方を定義しておくことが大切。

まとめ

新規サービスを立ち上げる場合、担当者はサービスそのものの実現に意識と時間の多くが割かれてしまう傾向があります。しかし、サービスの運営を支える各種オペレーションも事前に計画・実行しないと、良い顧客サービスとはなりません。
本来提供したかった価値自体は優れているにも関わらず、運営の失敗によって優れたUXを提供できず、結果的に低質なサービスと認知されてしまうケースが残念ながら多いので、注意が必要です。
新規サービス成功のためには「実行計画」「実行予算」「実現体制」が必須です。

新規サービスのご相談はNCDCへ

NCDCでは、デジタル領域の事業立案支援から実行支援まで多彩なサービスを提供しています。せひ新規サービスのご支援は経験豊富なNCDCにお任せください。

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