事例紹介

事例紹介
ゼロからの挑戦!新規事業のアイデア創出と評価の手法を学ぶ
プライム プラネット エナジー&ソリューションズ株式会社様

モビリティの電動化を牽引してきたトヨタ自動車と、世界トップクラスの品質を誇る車載用電池の開発で知られるパナソニックの合弁会社として2020年4月に誕生したプライム プラネット エナジー&ソリューションズ株式会社。
同社の新規事業検討プロジェクトについて、GX本部 グリーン戦略部 グリーンビジネス室の山内様にお話を伺いました。

新規サービス企画
お客さまのニーズ
DX支援に強みをもち、新規事業の検討に必要なノウハウを提供できるコンサルティング会社を探していた。
NCDCの役割
お客様主体で進める新規事業の検討プロセスをご用意して、アイデア創出から事業性評価まで伴走型の支援を実施。

第二の柱となる新規事業の可能性を探る

── まずは既存事業について教えてください。貴社は車載用電池の専業メーカーとして2020年に誕生したのですよね?
── まずは既存事業について教えてください。貴社は車載用電池の専業メーカーとして2020年に誕生したのですよね?

山内氏 ── 持続可能な社会の実現に向けて加速していく「モビリティの電動化」に対応するため、トヨタとパナソニックがそれぞれ持っていた車載用角形リチウムイオン電池の開発・製造・販売部門を統合し、ジョイントベンチャーとして生まれたのがプライム プラネット エナジー&ソリューションズです。
この社名には、かけがえのない私たちの地球を豊かでクリ-ンに保つために、電池というエネルギーデバイスの供給のみならず、幅広い付加価値・ソリューションを提供していくという思いが込められています。

── なるほど。当初から車載用電池に限らない価値提供も視野に入れられていたのですね。では、もう少し詳しく、今、新規事業の検討に取り組み始めた背景を教えていただけますか。
── なるほど。当初から車載用電池に限らない価値提供も視野に入れられていたのですね。では、もう少し詳しく、今、新規事業の検討に取り組み始めた背景を教えていただけますか。

山内氏 ── 今回の新規事業検討は、グリーンビジネス室という部門が担っています。グリーンビジネス室が属するグリーン戦略部には4つのミッションがあります。
1つ目は省エネや再エネ活用、技術革新等を通じて脱炭素、カーボンニュートラルに貢献すること。2つ目は電池の原材料であるレアメタルなど天然資源の枯渇に対応する循環経済(サーキュラーエコノミー)を目指すこと。3つ目が環境や人権等にも配慮されたサプライチェーンの構築。4つ目がダイバシティや生物多様性など、地域や社会との共生です。
この4つの柱を推進しつつ、新しいビジネスのあり方を考えるための部門がグリーンビジネス室です。

── 車載用電池の需要は今後増え続けると思いますが、今回の新規事業検討では既存の電池事業との関連性を求めず、ゼロからアイデア出しに取り組まれたのですよね?

山内氏 ── 今年、グリーン戦略部及びグリーンビジネス室が新設されました。まだ立ち上げから9ヶ月程度ですが、電池とは全く関係ない事業も対象として新たな価値提案を考えることがグリーンビジネス室のミッションです。
現在、車載用電池は社会の要請もあって拡大していく必要がある事業ですが、将来は電池を超えた更に先に、もっと付加価値を生む製品やサービスを提供したいと考えておりますので、今のうちから準備をはじめています。長期的な視野をもって2025年までは事業開発に取り組み、2030年までにスモールスタート、2035年までには第二の収益の柱になるように成長させていくことを目指しています。

── あえて車載用電池から離れた事業の可能性を探す取り組みなのでしょうか?
── あえて車載用電池から離れた事業の可能性を探す取り組みなのでしょうか?

山内氏 ── 新規事業の検討テーマに制約はなく、サーキュラーエコノミーに関連するものでも、社内の困りごとから発想を得るものでも、一般の生活者向けのものでもかまいません。
私が今取り組んでいるテーマは、従来の事業であるハードウェア販売とは異なるサービスビジネスに取り組んでみたいとの考えが軸にあるのですが、サービス提供の対象者は自動車業界の方、それ以外の業界の方、そして一般消費者など幅広く候補となります。

── 車載用電池の分野では業界をリードする立場でも、新規事業では未知の領域に取り組む可能性が高いため、外部のコンサルティングを求められたのですね。

山内氏 ── NCDCさんとのプロジェクトが始まる前に、社内でアイデア創出のブレインストーミングは断片的に行なっていましたが、今考えると素人レベルの取り組みだったと思います。社内だけで進めるのは限界があったため、専門家の指導を受けて今後の自分達の土台になるやり方を身につけたいと考えました。

新規事業検討のノウハウを学べる伴走型支援を採用

── 貴社からお問い合わせをいただいたのが最初のコンタクトでしたが、NCDCのことはご存知だったのでしょうか?

山内氏 ── 新規事業の立ち上げ支援を得意とするコンサルティング会社を探していた際、偶然WEBサイトを目にして知りました。大手よりも創業から10年未満程度の比較的新しい会社。とくにアイデア思考やDX支援が得意そうなところに絞って何社か相談したのですが、最終的にNCDCさんからの提案を採用しました。

── 何がNCDCを選んでいただく決め手になったのでしょうか?
── 何がNCDCを選んでいただく決め手になったのでしょうか?

山内氏 ── NCDCさんから最初にご提案いただいたプランは一部そのまま取り入れるのは難しい部分があったのですが、商談を重ねる中で、私たちの意向を汲んだ新しいプランを提案してくれました。フレキシブルに対応してもらえたのは非常によかったです。
コンサルティングを導入する目的のひとつに今後の新規事業検討に役立つノウハウを得たいという考えがあったので、私たち自身が中心となってプロジェクトを進め、NCDCさんが伴走型の支援をするというご提案が、私たちのやりたいことにもっとも近いと感じました。

── ワークショップを中⼼に、約4ヶ月にわたりアイデア創出から事業性の評価までを体験していただきましたが、一通り実践してみていかがでしたか?

山内氏 ── ワークショップを通じて、新規事業の検討に役立つフレームワークをいくつも学ぶことができました。一番勉強になったのはアイディエーションの手法です。やみくもに考えるだけではないアイデア創出の方法論を知ることができたので、今後に活かせると思います。
また、外部のアイデアを得られたこともよかったです。アイデア創出ワークショップにNCDCさんからも数名参加してもらったのですが、多様性のあるメンバーで実施することで多彩なアイデアが出ることがわかりました。社内のメンバーだけで実施したらおそらく似たような意見ばかりが出てアイデアが広がらなかったと思います。

プロジェクトの概要

新規事業のアイデア創出から、選定したアイデアの事業性評価・ブラッシュアップまでを8回のワークショップや検討会議で実施。はじめの2回は他部⾨からの参加者を募り、NCDCのメンバーも加えた複数チームでアイデア創出ワークショップを行なった。続く6回の定例会議では主要関係者が集い、事業性評価、収益シミュレーション、UX分析などに取り組み、事業アイデアのブラッシュアップを⾏なった。

全体の計画はNCDCが組み立てて、プライム プラネット エナジー&ソリューションズ様主体でプロジェクトを進⾏していただくスタイルを採用。ワークショップや会議のファシリテーション役をNCDCのコンサルタントが担い適宜アドバイスを行うことで、新規事業検討のノウハウをお伝えするとともにスムーズなプロジェクト推進を⽀援した。

ワークショップ時に作成した検討資料の一部

コストを抑えて迅速な検証をはじめる

── 現在はNCDCの伴走支援期間が終わり、貴社のメンバーのみでプロジェクトを継続されていると思いますが、どのような状況ですか?

山内氏 ── アイディエーションで約40の新規サービス案が出たのですが、その中から3つに絞って事業化の可能性を検討していきます。今はそのひとつに着手しています。
検討中の事業アイデアなので詳しい内容は言えませんが、企業内のコミュニケーションに関するサービスを候補として、初期PoCとして簡単なプロトタイピングに取り組もうと準備しているところです。

── PoCはどのように進めるのですか?

山内氏 ── NCDCさんからのアドバイスもあって、まずはできるだけ費用をかけずに簡単な検証から始めようとしています。自分で描いたいくつかの画面のイメージを用いて「こんなサービスがあったら使いたいと思うか?」と社内の意見を聞いていくことから始めます。
その段階でこれはダメだなという判断になる可能性もあるので、時間や費用をかけてシステム開発するような本格的なPoCはまだまだ先になると思います。

── NCDCの伴走型支援について印象に残っていることはありますか?
── NCDCの伴走型支援について印象に残っていることはありますか?

山内氏 ── あるアイデアに対してNCDCさんから反対意見が出たのが印象的です。アイディエーション後に時間をかけて社内で検討を進めていた案がひとつあったのですが「その内容ではお客様に買ってもらえないのではないか」と率直な指摘を受けました。
また、その際に「簡単に他社に真似されない要素はあるか?」「拡張性があるか?」というふうに、事業の継続性なども考えてアイデアをブラッシュアップしていく必要性を指摘されました。
率直な意見を外部の方から言ってもらえたのはよかったです。どれだけ考えても自分の気づかなかった視点から異なる意見が出るのだなという勉強にもなりました。

アイデア創出と検証のサイクルを素早く回し続ける

── 2025年までは事業開発に取り組む期間とのことなので、今後も新規事業のアイデア出しから何度も検討を繰り返していくのでしょうか?
── 2025年までは事業開発に取り組む期間とのことなので、今後も新規事業のアイデア出しから何度も検討を繰り返していくのでしょうか?

山内氏 ── よく新規事業は千のアイデアがあっても一つくらいしか成功しないといいますし、素早く進めて、失敗するなら早く気づく方がいいと考えています。先日会社の幹部と話す機会があって、私たちの活動を報告した際にも、そのまま立ち止まらずにスピーディに進めるようにというアドバイスをいただきました。
また、新規事業は数名だけでできるものではないので仲間を増やしていくことも大切だと考えています。今回はアイデア出しのワークショップの際に私の前所属部署から数名参加してもらったのですが、もっと仲間を増やしていきたいですね。

── 次のステップでもNCDCがお役に立てそうなことがあればぜひご相談ください。

山内氏 ── これからもアイデア創出からプロトタイピングまで素早く行い、その結果を次のアイデアに活かすようなサイクルを何度も回し続けていく必要があります。そのサイクルを高速で実行できるようになるには多くの経験を積んでいくことが重要だと感じていますが、きっと途中で行き詰まってしまうこともあると思います。そんなときにはまたNCDCさんに伴走型のサポートをしてほしいなと考えています。

山内 豊 氏
山内 豊 氏
GX本部 グリーン戦略部 グリーンビジネス室 主任
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