• Top
  • > Blog
  • > 新しい取り組みの成功確率を上げる「リーンスタートアップ」
2014/08/08 Next Concept, UXデザイン, スマートデバイス x 企業システム

新しい取り組みの成功確率を上げる「リーンスタートアップ」

こんにちは。NCDCの営業担当の田原です。あまり対外的にお話しする機会が無かったのですが、NCDCではシリコンバレーの企業を何社かベンチマークしています。この2年程ですが、シリコンバレーの成功しているベンチャー企業が用いている手法として、「リーンスタートアップ」というアプローチ手法が日本でも注目されています。前回のコラムhttp://ncdc.co.jp/posts/2421と関連して、アプリを活用したビジネスと相性が良い手法なので取り上げたいと思います。

 

■「リーンスタートアップ」を簡単に説明すると「改善を繰り返す事で成功モデルに素早く近づける」アプローチのことです。サッカーに例えると、遠距離からシュートを狙うのではなく、確実にパスを重ねてゴール手前までボールを運び、得点の確率を上げていくイメージと近いかもしれません。
書籍「RUNNING LEAN」では以下のように表現されています。

ーー引用ここからーー  「成功するスタートアップとは、リソースを使い切る前に十分なイテレーション(反復)を行うスタートアップの事である」「リソースを使い切る前にプランA(最初のプラン)からうまくいくプランへと反復的に移行するプロセス」  ーー引用ここまでーー

「リーンスタートアップ」という名称から、ベンチャー企業が取る手法で、日本の伝統的な大手企業には関係ないと思われがちですが、それは誤りです。リソースの限られるベンチャー企業だけでなく、新しいマーケットを創造していく場合等、環境変化を予測し難い場合や、事業やサービス成功の為の方法論が確立されていない領域では、大きな投資をすることなく素早く、成功確率の高いプランにシフトできるので大手企業でもこのアプローチを採用するメリットがあります。

 

元々は、トヨタ自動車の生産方式にちなんだもので、書籍「リーンスタートアップ」によると以下のように解説されています。

ーー引用ここからーー  リーンスタートアップという名前は、トヨタで大野耐一と新郷重夫が開発したリーン生産方式にちなんだものだ。リーンな考え方は、サプライチェーンや製造設備の運営方法を根本から変えつつある。価値を生み出す活動と無駄がはっきりと区別され、裏の裏にいたるまで質の高い製品が作れるようになるのだ。〜略〜 このような考え方を企業に適用し、他社とは異なる基準で自社の進捗を図るべきだとするのがリーンスタートアップだ。  ーー引用ここまでーー

 

伝統的な日本企業の手法が、アメリカのスタートアップベンチャーで採用され、彼らの成功ともに日本に逆輸入されている事実には興味深いものがあります。従来のアプローチと比較すると以下のようになるのではないでしょうか。

LeanStartUp_Ls
 

■なぜ、「リーンスタートアップ」がアプリを活用したビジネスに適しているか?NCDCで様々な先端事例に関わっている中で私が考える理由を3つ上げてみます。(もちろんこれ以外の理由もあるかもしれません)

1.一昔前と比較してビジネスのスピードが格段に早くなっている
2.スマートデバイスやアプリ関連のテクノロジーの進歩が早く、これまで実現できなかった事が、ある日突然できるようになっていたりする
3.コンシューマー向けのビジネスは特に製品ライフサイクルが短い
 

このような理由から、市場調査や大量のデータの分析、仮説を精密に練り上げる事に時間をかけてプランニングしても、いざ実行に移す段階になって前提が大きく変わっていたのでは折角のプランも効果を発揮できないことが増えてきています。従って、改善をすることで正解に確実に近づき、何回も改善を繰り返すアプローチである「リーンスタートアップ」がフィットするケースが多いと考えています。(案件の特性次第ですので、そのまま適用すれば良いわけでもありませし、全ての案件で「リーンスタートアップ」のアプローチが良いとは限りません)

もちろん従来のMBA的手法と併用して活用することが可能です。「リーンスタートアップ」はアプローチ/マネジメントの仕方であり、3CやSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)などは情報を整理して意味合いを見つける為のフレームワークですので、どちらが良いとかはありません。プロジェクトに応じて上手く組み合わせて活用すれば良いと思っています。

 

■最後に、「リーンスタートアップ」のアプローチをしてアプリを活用した新規ビジネスを軌道に乗せた事例を紹介します。リレーションズ株式会社様が手がける自転車シェアリングビジネス“COGOO”です。ビジネスの企画段階からIT面の実装、アプリやサーバーサイドの開発等、NCDCも深く関わったプロジェクトです。

自転車シェアリングのビジネスは著名な大手企業が何社か事業運営しているのですが、“COGOO”はスマホアプリを活用する事で、従来とは全く違う仕組みでビジネスを構築しました。当初は横浜国立大学で展開していたのですが、ここで改善を繰り返しユーザーである学生の評価を得たモデルにして、その後他の大学へ横展開を図りました。サービス開始してから既に3万回以上のレンタル(2014年3月12日時点、https://www.facebook.com/CogooBicycleより)を実現し、現在(2014年8月4日時点)では東京大学、一橋大学、千葉大学、京都大学、大阪大学、九州大学にも実績を広げています。詳細はこちらの事例をご確認下さい。http://ncdc.co.jp/showcase/relations01.html

田原 章一郎


記事一覧へ