日本企業向け、DX推進力を高めるフレームワーク

数多くのDX支援経験を持つ当社では、最近「DXの方針検討段階から支援してほしい」「組織づくりのアドバイスが欲しい」といったご相談をいただくことが増えています。
そのため、日本企業向けにまとめたDX推進力を高めるフレームワーク「NCDC DX Acceleration Framework」をご用意しています。

DXに取り組む企業は増えているが…

NCDCは以前から新しいテクノロジーを活⽤した新規サービスの開発支援を行ってきましたが、近年はDXという大方針のもと、デジタルを活用した新しい領域へのチャレンジに取り組む企業が急増しているのを実感しています。
プロジェクト単位の話だけでなくお客様の体制に目を向けても、DX推進を目的とした組織をつくり、本格的に取り組もうと考える企業が増えているようです。

しかし、残念がならそうした取り組みの全てが成功しているわけではありません。

もちろんDXとは短期間で成功・失敗という明確な結果が出るようなものではないため長い目で見る必要がありますが、せっかく用意したDX組織が機能していなかったり、新しいテクノロジーを活⽤する取り組みの多くが途中で（PoCだけで）頓挫してしまったりしている企業を見ると、そのまままでは成功への道筋はかなり険しいと言わざるを得ません。

DXの推進力が弱いのは何故か？

NCDCはDXというキーワードが登場する前から長年関連領域でお客様のプロジェクトを支援してきました。そうした経験も踏まえて考えると日本企業のDX推進を阻む原因が見えてきます。
それは推進組織の体制や権限などの問題である場合が多いようです。

特に⽇本の⼤⼿企業において顕著な問題ですが、組織の階層化が深く、かつ縦割り構造になっていると、⼀つの組織が持つ権限や予算が⼩さくなりがちです。
その結果、優れた企画があっても決済に時間がかかったり、他部門の協⼒を得ることが困難になったりするため、DX推進力が弱くなってしまうのです。

「DXを推進するためには、権限や予算の制約といったよくある課題を乗り越えられるだけの⼒を、あらかじめ担当組織に与えておく必要がある」
私たちは長年の経験からこのように考えています。

それらをわかりやすく提⽰し、DX推進組織づくりの参考にしていただくために用意したのが冒頭で紹介した「NCDC DX Acceleration Framework（NDAF）」です。
こうしたノウハウの活用にご興味のある方はぜひお問い合わせください。

DX推進力を高めるフレームワークNDAFの概要

ここまで、当社がこうしたフレームワークを用意した背景をご説明してきましたが、最後にNDAFの内容も簡単にご紹介します。
NDAFは以下の4つの構成要素から成り⽴っています。

1.Business Model Classification

NCDCではDX施策をその特性により3つに分類しており、まずどのタイプの施策に取り組むのかを定義します。

• Innovative Idea Model：世の中に類似サービスがまだ存在しない、もしくは存在しても世間に知られていない領域の施策。
• Market Domination Model：世の中にすでにサービスやビジネスモデルは存在しているが、まだ市場が確立されていない領域での施策。
• Operation Transformation Model：社内の業務プロセスをデジタル化で劇的に効率化を図る。もしくは従来⾒えていなかったデータを活⽤して新たな価値を⽣むなどの施策。

2. DX Enabled Structure

DX推進組織が持つべき組織機能や他組織との関係性を定義します。権限や予算、人材（求めるスキル）といった「推進組織に与えるべき力」から、経営陣がとるべき⽀援、他部門との連携方法まで、幅広く対象としています。
（NCDCではDXの推進組織を専任で作ることを推奨しています）

3.DX Enabled Requirements

1.Business Model Classificationで示した3分類それぞれに対して、2.DX Enabled Structureで示したDX推進組織が持つべき機能やリソースを定義します。

4.DX Roadmap

3.DX Enabled Requirementsで定義された必要要素をどのような時系列で実現していくか、複数年にわたる長期的な計画を立案します。

この４つの要素からなるフレームワークを活用していただくことで、DX推進力の高い組織づくりが可能になると思います。

早津俊秀