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RPAが止まる原因と対処法。AIエージェントという新たな解決策

公開 : 2026.05.26

RPAは多くの現場で業務効率化の手段として定着しています。一方で、運用を続ける中で「思ったより手がかかる」と感じるケースも少なくありません。本記事では、RPA運用でよくある課題への対処法と、その先の選択肢としてAIエージェントという新たなアプローチをご紹介します。

RPAが止まるのはなぜ?現場で起きがちな原因と負担

RPAを導入したものの、「気づいたら止まっていた」「修復に追われて本来の業務が進まない」という声をよく耳にします。止まる原因は大きく4つに整理できます。

  • UI変更・画面遷移のズレ
    システムのアップデートで画面構成が変わると、操作対象を見失って動けなくなります。事前に変更情報が共有されていれば防げますが、連携が取れていないと止まってから気づくことになります。
  • 例外処理不足とデータゆらぎ
    全角・半角の混在や空白の有無など、想定外のデータに対応する処理が書かれていないと、そこで処理が止まります。データ品質の管理が甘いほど、止まる頻度は上がります。
  • 権限・セッション・ネットワーク起因
    RPAが使うアカウントの権限変更、セッションのタイムアウト、一時的なネットワーク断など、RPA自体に問題がなくても外部環境の変化で止まることがあります。
  • 運用の属人化と保守負債
    構築した担当者が異動・退職し、誰もメンテナンスできない状態になると、トラブルが起きても対応できず手作業に戻るしかなくなります。

こうした原因が積み重なると、現場への影響は「一時的な遅延」では済みません。繁忙期の深夜・休日対応が増え、手戻りと二重入力で生産性が下がり、担当者は改善より火消しに追われます。

まず試すべきRPAのエラー対策

そもそも、なぜRPAはこれほど広まったのでしょうか。その背景を理解しておくことが、エラー対策を考える上でも重要です。

業務では複数のシステムを横断して作業することが日常的に発生します。本来であれば、システム同士をAPI連携やデータ連携で直接つなぐのが理想です。しかし、システムの改修には多大なコストと時間がかかります。特に長年使い続けてきた基幹システムは手を入れにくく、連携のための開発投資を稟議に通すことも容易ではありません。

そこで生まれた発想が、「人が画面でやっている操作をそのまま自動化する」 というアプローチです。システム側を変えるのではなく、人の代わりにマウスとキーボードを動かすソフトウェアを用意する。これがRPAの本質であり、システム改修なしに自動化を実現できる手軽さが、多くの企業に受け入れられた理由です。

しかしこの「画面操作を無理やり自動化する」という設計には、構造的な脆弱性が伴います。止まりやすさだけでなく、ID/パスワードをシナリオ内に埋め込む構造になりやすいことや、操作ログの追跡が十分に機能しないケースが多いことから、セキュリティ面でも弱点を抱えています。RPAが止まりやすい根本的な原因は、ツールの品質ではなく、本来はシステム間で解決すべき問題を、画面操作で代替しているという構造そのものにあります。この前提を踏まえた上で、現実的な対処法を見ていきましょう。

  • 例外処理・リトライ・タイムアウト設計の見直し
    RPAが予期せず止まる最大の原因は、「想定外の状態」への対処が設計されていないことです。エラー発生時に処理を即座に停止するのではなく、リトライ回数・待機時間・タイムアウト閾値を明示的に定義しましょう。また、例外が発生した際のログ出力と担当者への通知を必ずセットで実装することで、問題の早期発見と原因特定が格段に速くなります。
  • 画面操作依存を減らすAPI連携・データ連携への置き換え
    画面のレイアウト変更やシステムのバージョンアップのたびにRPAが壊れる場合、画面操作(UI操作)への依存度が高すぎることが原因です。可能な範囲でAPIやファイル連携(CSV・Excel・DBなど)に切り替えることで、UI変更の影響を受けにくい堅牢な構成に近づけられます。全面的な置き換えが難しい場合は、最も変更頻度が高い画面操作から優先的に対応しましょう。
  • 変更管理とテスト手順の標準化
    「システムが変わったのにRPAの修正を忘れていた」というケースは非常に多く見られます。これを防ぐには、業務システムの変更情報をRPA担当者が必ず受け取れる仕組みを作ることが先決です。加えて、修正後のリリース前に実施するテスト項目をチェックリスト化し、誰が対応しても同じ品質を担保できる手順を整備しましょう。
  • 監視・アラート・自動復旧フローの整備
    RPAが止まっていることに気づくのが遅れると、業務への影響が拡大します。RPAの実行状況をリアルタイムで監視し、異常を検知したら即座にアラートを発報する仕組みを整えましょう。さらに、単純なエラー(一時的なネットワーク断など)については自動でリトライ・再起動を行う復旧フローを設計しておくと、担当者の夜間・休日対応を大幅に減らすことができます。
  • ドキュメント化と引き継ぎで属人化を解消する
    「あのRPAの仕様は〇〇さんしか知らない」という状態は、担当者の異動や退職をきっかけに深刻なリスクになります。RPAごとに処理概要・対象業務・エラー時の対応手順・修正履歴を記録したドキュメントを整備し、チーム内で共有しましょう。ドキュメントは完璧を目指さず、まず「引き継ぎに最低限必要な情報」から書き始めることが継続のコツです。

それでもRPAが止まるならAIという選択肢

運用改善を尽くしてもなお限界を感じるとき、AIエージェントが有力な選択肢になります。

RPAが止まりやすい背景には、画面操作でシステム間の処理を代替しているという構造的な問題があります。AIエージェントはこの点で異なるアプローチを取ります。画面の見た目や操作手順があらかじめ決まっていなければ動けないRPAとは異なり、AIエージェントは状況を自ら判断しながら柔軟に処理を進めます。画面のレイアウトが変わっても、想定外のエラーが出ても、文脈を読んで次の行動を選べるため、ルールの外側にある変化に強いのが特徴です。

RPAが「手順通りに動くロボット」だとすれば、AIエージェントは状況を判断しながら処理を進めるアシスタントに近いイメージです。既存のRPAをすぐに全て置き換える必要はありませんが、判断や例外対応が必要な領域からAIエージェントに切り替えていくことで、より止まりにくく、変化に対応しやすい自動化の仕組みに近づいていけます。

AIエージェント導入前に整理すべきこと

AIエージェントの導入を検討する際、ツール選定より先に整理しておくべきことがあります。任せる業務の範囲と、扱うデータの状態です。

問い合わせ対応・入力補助・申請処理などの活用例

AIエージェントが実際の業務でどう機能するか、代表的な活用パターンを見てみましょう。

  • 問い合わせ対応
    社内外からのメールやチャットの内容を読み取り、内容に応じた回答案の生成・担当部署への振り分け・FAQ参照による自己解決支援などを自律的に行えます。問い合わせの文面が毎回異なっていても、意図を解釈して適切な処理につなげられる点がRPAとの大きな違いです。
  • 入力補助
    紙やPDFで届いた書類の内容を読み取り、基幹システムへの入力データに変換する作業を担えます。フォーマットが取引先ごとに異なる場合でも、項目の意味を理解した上でマッピングできるため、RPAのように帳票ごとに個別の設定を用意する必要がありません。対応パターンを事前に定義しなくても処理できる点が、RPAとの大きな違いです。
  • 申請処理
    申請内容の確認・規定との照合・承認ルートの判定といった、これまで人が判断していたステップを自動化できます。「明らかに問題のないケースはAIが処理し、判断が難しいケースは人にエスカレーションする」という設計も可能です。

既存RPA資産との向き合い方

AIエージェントへの移行を進める中で、すぐにRPAを全て置き換えることが難しい場面もあります。そうした場合の暫定的な対応として、定型的でルールが固定された処理はRPAが担い、判断や例外対応が必要な処理はAIエージェントが担うという役割分担から始めることも選択肢の一つです。

ただし、これはあくまで移行期の一手段です。RPAが残る領域では、認証情報の管理や操作ログの一元化に引き続き注意が必要です。AIエージェントを司令塔として操作の起点を集約する構成にすることで、権限管理やログの追跡はしやすくなります。RPAが残る範囲を限定的に絞ることが、安定性・セキュリティの両面で重要です。

中長期的には、AIエージェントがAPI・MCP*連携を通じてシステムと直接繋がる構成が、安定性・拡張性の観点から理想的なゴールです。すぐに実現できなくても、その方向を見据えながら段階的に移行していくことが、RPA依存から抜け出す現実的な道筋になります。

※MCP(Model Context Protocol):AIエージェントが外部のシステムやデータと直接やり取りするための接続規格。MCPについて詳細が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

導入前に整理すべき業務要件とデータ要件

業務要件では、AIに任せる範囲と人が必ず関与すべき範囲の切り分け、判断基準が言語化できているかどうか、例外発生時の対応フローが決まっているかを確認します。AIエージェントは「ゴールを与えれば自律的に動く」存在ですが、そのゴールと制約を正しく定義するのは人の役割です。

データ要件では、AIエージェントが参照するデータがどこにあり、どのような形式で存在しているかを確認します。データの鮮度・精度・網羅性も重要で、インプットの質が低ければアウトプットの質も下がります。活用を始める前に、データ自体の状態を把握しておくことが重要です。

「何から手をつければいいかわからない」「自社の業務に当てはめて考えるのが難しい」という場合は、NCDCが提供するワークショップをご活用ください。業務課題の整理からAIエージェント活用の方向性の検討まで、貴社の状況に合わせて一緒に進めます。

弊社開発のAIエージェント「BizAIgent」だから実現できること

AIエージェントの導入に関心はあるけれど、「本当に現場で使えるのか」「セキュリティは大丈夫か」「導入後に使い続けられるか」という不安がぬぐえない——そうした組織に向けて、BizAIgentは設計されています。ツールを提供するだけでなく、導入から定着まで、NCDCが一貫して伴走します。まず相談するところから始めていただける、法人専用のAIエージェントサービスです。

BizAIgentの設計思想

BizAIgentはBox、SharePointなどのクラウドストレージはもちろん、業務で使用するSaaSと接続します。NCDCでは企業の社内システムを生成AIと接続するためのサービスもおこなっており、自社開発したシステムも接続することが可能です。

また、データの検索、分析、要約だけではなく、登録などの処理ができることも特徴です。これにより、従来RPAでおこなっていたような、システムAの画面を読み取って、システムBに登録するといった処理をAIで置き換えることが可能です。

セキュリティ・権限に配慮した運用ができる

社内の機密情報を扱うツールに対して、セキュリティへの懸念は当然です。BizAIgentは、企業が安心して業務に活用できるよう、複数の層でセキュリティを担保しています。

まず、顧客ごとに独立した専用環境をクラウド上に構築します。他社のデータと混在することはなく、チャットの内容や連携した社内データがAIモデルの再学習に使われることもありません。機密情報を含む業務にも安心して活用できます。

外部サービスとの連携においては、連携先のサービスの仕組みによりますが、例えばMicrosoft365ではOAuth 2.1という標準的な認証規格を使用します。BizAIgentから接続を行う際に、ユーザーが連携先の自分のアカウントでログインすることで、連携先の情報にアクセスできるようになります。このとき、アカウントのパスワードをBizAIgentに入力することはありません。

権限管理の面では、連携先のシステム(BoxやSharePointなど)の権限設定に準拠した制御が可能です。ある社員が本来アクセス権限を持っていないファイルやデータを、AI経由で閲覧できてしまうことはありません。管理者が許可したデータのみをAIが参照できる仕組みになっており、情報漏洩リスクを組織的にコントロールできます。

充実した支援体制

BizAIgentはツールを提供して終わりではありません。導入から定着まで、NCDCのプロフェッショナルチームが一貫して支援します。

問い合わせからヒアリング・デモ・提案・見積もりまでは無料で対応しており、まず試してみるハードルを低く設定しています。導入後も、業務フローの整理・プロンプト設計・データ整備・活用推進のコンサルティングと、現場に根付かせるための支援を継続的に提供します。

AIツールの導入で多くの組織がつまずくのは、「入れたはいいが使われなくなった」ということが少なくありません。BizAIgentは、ツールの機能と支援体制をセットで提供することで、導入して終わりではなく、使い続けられる体制まで構築します。

AIエージェント活用のご相談はNCDCへ

NCDCは、DX支援や業務自動化の豊富な経験を活かし、AIエージェントの導入・活用に取り組む企業を積極的に支援しています。

単なるツール導入の支援にとどまらず、どの業務から着手すべきかの整理、AIエージェントとRPAの役割分担の設計、運用定着までの伴走支援など、貴社の状況に合わせた形で知見をご提供します。外部に依存し続けるのではなく、自社でAIを使いこなせる体制づくりをサポートします。

「何から手をつければいいかわからない」「自社の業務に当てはめて考えるのが難しい」という段階からでもご支援が可能です。
貴社の業務自動化を次のステージへ進める第一歩として、まずはお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

NCDC マーケティングチーム
多様なバックグラウンドを持つメンバーにより編成されたチーム。コンサルタント、エンジニア、デザイナーなど、各専門領域の知識を有するNCDCメンバーから得たナレッジを編集し、読者に価値ある情報を提供している。

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