デジタルトランスフォーメーション(DX)が企業の競争力を左右する時代、単なるIT化ではなく、ビジネスモデルや業務プロセスそのものを変革することが求められています。そして、DXが進んでいる企業が増えているというデータも多くなってきました。
しかし、本当にDXで競争優位を築けている企業はどのくらいあるでしょうか?非常に少ないのが現実かと思います。DXを推進していく人材不足、スキル不足が根本的な原因だとNCDCでは考えています。
本コラムでは、DXで本質的な結果を出すために必要であると考えている、DX人材を育成するための方法を説明します。
DXの2つの方向性
DXについてIPA(情報処理推進機構)では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と説明しています。
さらにIPAではDXの取り組みとして、新規事業開発、既存事業の高度化、社内業務の高度化・効率化の3つのテーマを掲げています。
NCDCでは、これら3つのテーマについて、その主目的が「新たな価値創出」(新規事業開発、既存事業の高度化)にあるのか、「内部業務の変革」(社内業務の高度化・効率化)にあるのかという実践的な観点から捉え直し、「新規サービス系DX」と「業務改革系DX」の2分類として整理しています。
新規サービス系DXとは?
デジタルを活用して新たな収益源を生み出し、新しいサービスや事業を創出することです。その分かりやすい例として、米Amazon社が本のEC販売を行いながら、余剰のコンピューターリソースを共有する新規サービスとして「Amazon Web Services(AWS)」を開始したケースが挙げられます。
業務改革系DXとは?
「新しいデジタル技術を活用して既存業務を変革すること」です。例えば、AIによる動画解析で従業員の動きをトラッキングし、最適な作業割り当てによって業務効率化を図ったり、ICタグを使って検品作業を無人化したりする例が、DXによる業務改革に当たります。
では、こうした「業務改革」や「新規サービス創出」といったDXを推進していく上で、企業に欠かせない要素は何でしょうか?
DX推進に欠かせないビジネスアーキテクト
DXを推進する上で絶対に必要となるのは、変革の舵取り役となる「ビジネスアーキテクト」の存在です。ビジネスアーキテクトは、経営や事業の視点とテクノロジーの視点を併せ持ち、DXによって「何を実現するのか」「どのように実現するのか」という全体像を描き、プロジェクトを推進する役割を担います。IPAではその主たる役割を担うロールを「ビジネスアーキテクト」として定義しています。
ロール名がなんであれ、NCDCの数多くのDXコンサルティングの経験からも、DXを推進する企業にとってそういった人材は不可欠な存在であると考えています。
本コラムでも、DX推進における実務上の中心人物を「ビジネスアーキテクト」として説明していきます。
ビジネスアーキテクトには、特に以下の5つのスキルが不可欠です。
- ビジネスを構想できる: 市場動向や技術トレンドを捉え、デジタル技術を活用して新しいビジネスモデルや顧客価値を具体的に描き出す能力。ゼロベースで発想し、未来の事業をデザインします。
- 既存事業を変革できる: 現状の業務プロセスや課題を深く理解し、デジタル技術によってどのように効率化・高度化できるかを見極め、具体的な変革プランを策定・実行する力。
- 利用者の視点でサービスを考えられる: 顧客や社内ユーザーが本当に求めていること、抱えている課題は何かを徹底的に考え抜き、優れたUX(ユーザー体験)を持つサービスを設計する共感力と洞察力。
- テクノロジーの考え方を理解できている: プログラミング等の専門技術は不要ですが、AI、IoT、クラウド等の主要技術が何を実現でき、ビジネスにどう貢献しうるかを理解し、技術者と対等に議論できる知識。
- DXプロジェクトをマネジメントできる: 関係部署や外部パートナーなど多様なステークホルダーを巻き込み、目標達成に向けて不確実性の高いDXプロジェクトを計画し、着実に実行・管理していく推進力と調整能力。
これらのスキルを持つビジネスアーキテクトが中心となることで、DXは成功へと近づきます。
これら5つのスキルは、IPAが提唱するビジネスアーキテクトの主要タスク、すなわち「DX戦略策定」「新規ビジネス・サービス設計」「業務プロセス改革」「技術活用計画」「DXプロジェクト推進・関係者調整」などを実行する上で相互に連携し、不可欠な要素となります。
具体的には、「ビジネスを構想できる」「利用者の視点でサービスを考えられる」スキルは、DX戦略策定や新規ビジネス・サービス設計タスクの中核を担います。「既存事業を変革できる」スキルは、業務プロセス改革タスクに直結します。「テクノロジーの考え方を理解できている」ことは、技術活用計画の策定や、戦略・設計・改革における技術選択の基盤となります。そして、「DXプロジェクトをマネジメントできる」スキルは、これら全てのタスクを関係者と連携しながら推進していく上で必須となります。
しかし、ここで大きな問題があります。現状、多くの企業において、ビジネスアーキテクトに求められる複合的なスキルセットを有する人材は「大幅に不足している」※と考えられます。つまり、そういった人材を早期に育成するのか、外部から採用するのか、いずれかの対応が急務です。
※独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2024調査」によると、日本企業では、ビジネスアーキテクトやデータサイエンティストの不足感が高いことや、人材不足がDX推進に強く影響しているとの調査結果が報告されています。
外部からの採用は短期的に実現可能に思えるかもしれませんが、国内全体においてビジネスアーキテクトのスキルを持つ人材は非常に少ないでしょう。仮にコンサルティング会社などからある程度の経験者を採用できたとしても、彼らに自社の製品やサービス、ビジネスモデル、業務プロセスを理解してもらうまでの時間はかかります。
そこで、NCDCではビジネスアーキテクトの育成を推奨しています。外部からの採用は近道に感じられますが、実際には「急がば回れ」で社員を育成する方が早期に人材確保を実現でき、将来の経営幹部候補を育成することにも繋がります。今後の経営者にはDXに関する知識が不可欠となるでしょう。そういった意味でも、人材育成を強く推奨しています。
こうした背景から、NCDCではビジネスアーキテクト候補となる人材をできるだけ短期に育成するための短期集中型アクティブラーニング研修プログラム「DXブートキャンプ」を開発しました。このプログラムは3日間で実施します。最初の2日で知識のインプットとショートケースによるアウトプットを繰り返して基礎知識を習得します。最終日の3日目にはDXによるビジネス創造からDXプロジェクト運営や計画をたてるところまでをリアルなケースで実施します。
2日間でDX概論、DX戦略、ビジネスモデル分析やデザイン思考・UXデザインを通じたビジネス構想力の獲得に必要な内容に加え、アーキテクチャやデータモデル、クラウド、データ分析、生成AI、IoTといったキーテクノロジーの基礎知識、ウォーターフォール/アジャイル、UXデザインを含めた開発工程、見積もり・契約といったDXプロジェクト推進の基礎を実践的に学びます。
DXブートキャンプのプログラム紹介
続いて、プログラムの主な内容をご紹介します。
DX戦略
経営戦略におけるDXの位置づけ
まず、DXは経営戦略においてどのような役割を持つのでしょうか?
DXとは、データやデジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを変革し、競争優位性を確立する戦略的取り組みです。経営戦略においては、持続可能な競争力の確保、顧客体験(CX)の革新、オペレーション効率の向上、新規収益源の創出といった観点から重要な役割を果たします。
近年、クラウドやAI、5Gなどの技術革新が急速に進み、各業界に大きな影響を与えています。ビジネスサイドとしても、これらの技術がもたらす可能性を理解し、適切に活用することが求められます。
事例紹介
百年以上の歴史を誇る老舗ハードウェアメーカーが挑む、AIを活用した新規事業開発(株式会社フジクラ様)
パートナーとの共創プロジェクトで、内製化とデジタル人材育成を同時に推進(戸田建設株式会社様)
ビジネスの目利き
デジタル技術を単なる「手段」としてではなく、「価値創出のツール」として活用するための視点を養います。技術のトレンドを正しく理解し、事業戦略と結びつけるスキルが重要です。
ビジネスモデル分析
新たなビジネスは、既存ビジネスとの連続点を見つける必要があります。自社のビジネスモデルを分析していく中で、ビジネスモデルのパターンや最適な分析手法を理解していきます。
連続点を見つけるためには、3C分析やSWOT分析を通して、現在の自社のビジネスモデルを分析し、新たに生み出したビジネスモデルをCVCA(Customer Value Chain Analysis)図やビジネスモデルキャンバスで具体化させます。
そうして出来上がったビジネスモデルを、使用者視点検証であるカスタマージャーニーマップと突合しブラッシュアップしていきます。
UXデザイン
DXの波が押し寄せる現代において、多くの企業が最新テクノロジーの導入を急いでいます。しかし、真に顧客に支持され、ビジネス成果に繋がるDXを実現するためには、テクノロジー導入という手段だけでなく、その先にいる『人』、つまり顧客体験(UX)を深く理解し、最適化する視点が不可欠です。
最先端のAI機能を搭載した画期的なサービスを開発したとしても、そのインターフェースが複雑で使いにくかったり、顧客が本当に求めている価値を提供できていなければ、そのサービスは市場で受け入れられるでしょうか?答えは否です。
テクノロジーはあくまでも顧客に価値を届けるための手段であり、その価値を最大化するのがUXデザインの役割になります。
本ブートキャンプでは、そもそもUXとは何か?UXデザインとは何か?といった基礎知識から、NCDC独自のUXデザイン方法論を用いた具体的な顧客中心のアプローチまで幅広く学び、DX施策の成功確率を飛躍的に高めるための知識とスキルを習得します。
UXデザインは、単なる見た目の美しさや操作性向上に留まりません。顧客のニーズや課題を深く理解し、共感することで、顧客ロイヤルティの向上、そして最終的にはビジネスの持続的な成長に大きく貢献します。テクノロジーの力を最大限に引き出し、顧客にとってかけがえのない体験を創造するために、UXデザインを学ぶことが重要です。
テクノロジーのポイント理解
DXを推進する上で、押さえておくべき技術のポイントを紹介します。
アーキテクチャ
DXを成功に導くためには、システムの骨格となる「システムアーキテクチャ」の理解が不可欠です。システムアーキテクチャとは、システムを構成する要素間の関係性や設計原則を指します。
アーキテクチャの歴史は技術革新と共に進化しており、最新のアーキテクチャは常に変化し続けているため、そのトレンドを継続的に把握することが重要です。
代表例としてWebアプリケーションアーキテクチャに着目すると、近年注目されるSPA(シングルページアプリケーション)は、スムーズな操作性と高い開発効率を実現し、ユーザー体験の向上に大きく貢献します。加えて、多様なテクノロジーレイヤーの登場や、クロスプラットフォーム開発といった新しいアプローチは、より柔軟で効率的なシステム構築を可能にします。変化の激しい現代において、適切なアーキテクチャ戦略は、ビジネスの成長と競争力強化に不可欠な基盤となります。
データ・データベースの概念
DX時代において、データは最も重要な資産の一つです。データの収集、管理、分析を適切に行うためには、リレーショナルデータベース(RDB)とNoSQLの特性を理解し、適切なデータ基盤を構築することが不可欠です。
RDBは、金融取引や在庫管理など、データの一貫性と正確性が最重要となる基幹業務に適しています。 構造化されたデータの複雑な分析やレポート作成にも有効です。
一方、NoSQLは、SNSやIoTなど、予測不能な大量データを高速処理し、サービスの変化に柔軟に対応したい場合に選択されます。 スケールアウトによる拡張性とコスト効率が求められるビジネスに向いています。
「信頼性のRDB」と「速度と柔軟性のNoSQL」というそれぞれの特徴を捉え、事業特性に合わせて適切なデータベースを選択することが重要です。
クラウド戦略
DX推進において、クラウドは単なるITインフラの置き換えではなく、ビジネス変革そのものを加速させるための戦略的基盤と捉える必要があります。クラウドが持つ、迅速な開発・改善を可能にする「俊敏性」、需要変動に柔軟に対応できる「スケーラビリティ」、AIやデータ分析といった最新技術への「アクセス容易性」、そして初期投資を抑制し運用コストを最適化できる「コスト効率性」は、DXのスピードと質を飛躍的に向上させる原動力となります。
しかし、「クラウド導入」自体が目的化すると、コスト増大、セキュリティリスク、運用複雑化といった課題に直面してしまいうこともあります。「どの業務プロセスをどう変革したいか」「達成すべきビジネス目標は何か」「最適なクラウドサービスやアーキテクチャは何か」「セキュリティやガバナンスをどう確保するか」といった問いへの明確な答え、すなわち「クラウド活用戦略」がなければ、そのメリットを最大限に引き出すことはできません。
クラウドにはパブリッククラウドとプライベートクラウドが存在し、特にパブリッククラウドには目的別に使い分けるべきSaaS、PaaS、IaaSというサービスモデルがあります。
- SaaS(Software as a Service)は完成されたソフトウェア(メールなど)を利用するモデルで、迅速な導入と運用負荷の軽減を実現します。
- PaaS(Platform as a Service)は開発・実行環境を提供し、開発者がインフラ管理から解放されて開発に集中できるため、開発スピードが向上します。
- IaaS(Infrastructure as a Service)はサーバーなどのインフラを提供し、自由度の高いシステム構築や既存システム移行、コスト最適化を可能にします。
これらのサービスモデルをビジネス要件に合わせて適切に組み合わせることが、俊敏性、効率性、コスト最適化を実現し、クラウドの真価を引き出す鍵となります。
データ分析
DX推進が加速する現代において、企業が日々蓄積する膨大なデータは、極めて重要な資産となっています。しかし、依然として、経営判断に活かすための効果的なデータ分析は、多くの企業にとって大きな課題です。「データは蓄積されているものの、どのように活用すればよいか分からない」という企業も少なくないでしょう。
近年、AI技術が目覚ましい進化を遂げたことにより、これまで人間には不可能だった複雑なデータの解析や隠れたパターンの発見が可能になり、データ活用の可能性は飛躍的に拡大しています。しかし、闇雲に最新の分析ツールを導入するだけでは、期待する成果は決して得られません。
本ブートキャンプでは、解決したい具体的な課題に対し、BIツール、統計分析、AIといった多様な分析手法の中から最適なアプローチを選択するための知識を習得します。それぞれのツールの特性を深く理解し、事例を通して具体的な活用イメージを持つことで、企業の経営戦略における重要な意思決定をデータに基づき、自信を持って行えるようになるでしょう。日々蓄積され続けている膨大なデータを適切に活用・分析し、ビジネスの成長エンジンに変えるための方法を学んでいきます。
生成AI
生成AIの急速な進化は、ビジネスのあり方を根底から変えつつあります。DX推進において、この革新的な技術をいかに戦略的に取り込み、活用できるかが、企業の競争力を大きく左右すると言っても過言ではありません。
生成AIは、コンテンツ作成、顧客対応の効率化、データ分析の高度化など、多岐にわたる業務の自動化や、全く新しい製品・サービスの創出といったビジネスモデルの変革に不可欠な技術となりつつあり、その活用範囲はまさに日進月歩で拡大しています。日々の業務や生活の中で目にするECサイトでのAI要約やAIチャットボットといった身近な事例を参照しながら生成AIの基礎を理解し、実際の業務に適用するための知識を習得することは、DXを成功に導く上で極めて重要な鍵となります。
IoT
リアルタイムデータの収集と活用は、新しいビジネスの可能性を大きく広げます。ソフトウェア内のデータだけでなく、現在はデータとして扱われていない「モノ」をいかにデータ化できるかが、競争優位性を生み出す鍵となります。本ブートキャンプでは、スマートデバイスやセンシングデバイスの事例と活用方法を具体的に学んでいきます。
例えば、私たち消費者にも身近な自動運転技術もIoT(モノのインターネット)の一つです。
自動車に搭載されたセンシングデバイスは、クラウドとデータ連携することでデータを蓄積していきます。しかし、自動運転ではその時々の即座の応答が必要なため、クラウドからの応答を待っていては適切な対処ができません。
そこで登場するのが、車両自体に搭載されたコンピューターである「エッジコンピューター」です。AIによるデータ分析など、処理が重いものはデータ送信先で行いますが、その分析結果を使った処理は車両のエッジコンピューターで行われます。
それでも、センサーの精度や反応速度にはまだ課題が残っています。これらの技術的課題を理解した上で、それをチャンスと捉えるか、時期尚早と捉えるか、ビジネスの方針を検討していく必要があります。
プロジェクト推進
DXプロジェクトの成功には、DXプロジェクトに適切な戦略立案と管理が求められます。テクノロジーだけでなく、組織の変革やチームマネジメントの観点も重要になります。
DX関連プロジェクトの特徴
DXプロジェクトの成功には、従来のITプロジェクトとは異なるアプローチが求められます。特に、PoC(概念実証)やMVP(最小実行可能製品)といった開発手法を駆使し、迅速なサービス提供を実現することが重要です。これらの手法は、『要件定義が曖昧な段階でも開始できる』『事業化の可能性を早期に検証できる』『仕様変更に柔軟に対応できる』など、DXプロジェクトにおけるスピード感を重視する上で大きなメリットをもたらします。本パートでは、従来のITプロジェクトとDXプロジェクトの開発プロセスを比較し、DXに最適なアプローチを学びます。
ウォーターフォールとアジャイルの基礎
DXを推進する上で、開発手法の選択はプロジェクトの成否を大きく左右します。従来のウォーターフォール型開発は、計画重視で着実な進行を可能にする一方で、仕様を途中で変更できないなど変化への対応力に課題が残ります。一方、アジャイル型開発は、柔軟性と迅速な開発を強みとするものの、計画の精度や全体像の把握が難しい側面も持ち合わせています。DXプロジェクトにおいては、これらの開発手法の特性を深く理解し、プロジェクトの特性、期間、予算、変化への対応力などを考慮して、ウォーターフォール、アジャイル、または両者を組み合わせたハイブリッド型を選択することが不可欠です。本パートでは、各開発手法の基礎知識、メリット・デメリット、それぞれの開発プロセスなどを学ぶことで、DXプロジェクトを推進していく上で最適な開発手法を選択できるようになります。
UXデザインを含めた開発工程の考え方
DXでは、どんなに優れた技術を導入しても、ユーザにとって使いにくかったり、価値を感じられなければ意味がありません。そのため、単なる機能実装ではなく、ユーザー体験(UX)を考慮することが求められます。UXデザインを開発プロセスに組み込む際の流れや注意点を学び、顧客満足度の高いデジタルサービスを提供するための方法を学びます。
見積もり・発注・契約の基本的な考え方、注意点
プロジェクトを円滑に進め、期待した成果を最大限に引き出すためには、適切な契約手段の選択が不可欠です。DXプロジェクトでは、アジャイル開発やPoCなど、多様な開発手法が採用されるため、従来のITプロジェクトとは異なる契約条件が求められます。契約手段を誤ると、プロジェクトの遅延や予算超過、成果物の品質低下など、重大なリスクを招く可能性があります。DXプロジェクトにおける見積もり、発注、契約の基本的な考え方と注意点を解説し、プロジェクトを成功に導くための知識を提供します。
DXブートキャンプのご案内
DX人材(ビジネスアーキテクト)の必要性とを育成方法をご紹介してきましたが、最後のまとめとして、あらためて「企業の未来を創る、DX推進人材育成プログラム DXブートキャンプ」の特徴をご紹介します。
1. 実践的なDX人材育成プログラム
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、もはや一時的な流行ではありません。企業の持続的な成長を実現するために避けて通れない重要な取り組みとなっています。しかしながら、多くの企業では、DXを推進するための専門知識やスキルを持つ人材が不足しているのが現状です。
このような課題を解決するため、本ブートキャンプでは、DX推進に不可欠な知識と実践力を短期間で集中的に習得できるプログラムをご提供します。修了後には、企業内でDXによる変革を主導できる人材へと成長することを目指します。
本プログラムは、DXコンサルティングで豊富な実績を持つNCDCだからこそ提供できる、実践的なDX人材育成プログラムです。
2. ビジネスアーキテクトのスキルを習得
本ブートキャンプは、IPA(情報処理推進機構)が定める「デジタルスキル標準」(2024年7月改定)における「ビジネスアーキテクト」に必要なスキルを体系的に習得できるよう設計されています。
ビジネスアーキテクトとはDXの取り組み(例:新規事業開発、既存事業の高度化、社内業務の効率化など)において、以下の役割を担う人材です。
- 目的設定: プロジェクトのゴールを明確にします。
- 推進: 関係者を調整・連携させながら、プロジェクトを計画通りに進めます。
- 効果検証: 導入後の成果を測定し、改善につなげます。
ビジネスアーキテクトは、DXプロジェクトの企画から実行、評価までを一貫してリードする、まさにDX推進の中核を担う存在です。
3. 即戦力となるための3つの力を習得
本ブートキャンプでは、DX推進の現場で即戦力として活躍するために不可欠な、以下の幅広いスキルを実践的に学びます。
- UXデザインの実践力: 顧客のニーズを深く理解し、真の顧客価値を創造するためのUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインの手法を学び、使いこなせるようになります。
- ソフトウェア開発の基礎知識: ビジネス変革を実現するサービスやシステムの企画・プランニングには、ソフトウェア開発の基本的な知識が不可欠です。NCDCでは、この知識をDX推進の必須要素と位置づけています。
- テクノロジーへの深い理解: DXを推進する上で、AI、IoT、クラウドといった最新テクノロジーの動向や活用方法を理解していることは、効果的な戦略立案の基盤となります。
4. 理論を実践へ:新規サービス創出を目指す「総合演習」
本ブートキャンプの核となるのが、グループワーク形式で行う「総合演習」です。ここでは、学んだ知識やスキルを総動員し、実践的な課題に取り組みます。
演習の流れ
- アイデア創出: 各グループで、ブレインストーミングを通じて新規サービスのアイデアを2案創出します。
- (例)自動車購入者向けに、製造工程や進捗状況を映像で確認できるサービス
- (例)様々な診療科のオンライン受診から薬の注文まで可能な総合オンライン病院
- (例)銀行が提供する、取引先企業同士をつなぐマーケットプレイス
- 収益シミュレーションと案の選定: 創出した2つのサービス案について、収益シミュレーションを実施します。その結果を比較検討し、より有望な案を1つ選定します。
- 事業計画策定: 選定したサービス案について、具体的な事業計画(サービス概要、提供価値、システム構成、開発コスト概算、プロジェクト計画など)を策定します。
- プレゼンテーションとフィードバック: 策定した事業計画を発表し、講師から具体的なフィードバックや、実務における考え方などのアドバイスを受けます。
演習のゴール
総合演習を通じて、仮想的な新規サービスの企画立案から事業計画策定までの一連のプロセスを体験し、実践的なスキルを習得します。最終的には、具体的なサービス概要、提供価値、システム構成案、概算開発コスト、プロジェクト計画、事業計画といった成果物を作成します。
DXの推進やDX人材育成に関するご相談は、NCDCまでお気軽にお問い合わせください。