「アステラス製薬ではタブレット端末を活用して、より高いレベルの営業活動をサポートする目的でアプリを開発。従来型の「見せる」用途を中心としたタブレット端末の活用から、人の力とデジタルツールの力を掛けあわせたシナジーを生む次世代の取り組みを実現」
この度は、アステラス製薬マーケティング担当の高橋氏、鈴木氏、丹羽氏にお話を伺った。
高橋氏:今回のプロジェクトは弊社のMR(Medical Representatives:医薬情報担当者)が使用するタブレット端末のアプリをNCDCさんに開発していただきました。
高橋氏:MRが医師より個人情報を除いた患者さんの症状や投薬状況などをヒアリングして登録することができるアプリです。
患者さんの状況を継続的に登録することで、症状の経過をグラフ表示するなど、検査値などで見えにくい患者さんの症状の変化を可視化することができます。
高橋氏:目的は二つあります。第一にMRが医師と患者さんベースでディテーリング(医薬情報などを医師に説明すること)を行えるようにするためです。
このアプリを使うことで、患者さんの状況を医師からヒアリングしたり、医師から過去の診療履歴を聞かれたりした場合に、素早く過去のデータを表示することができます。
本アプリを通じた医師とのコミュニケーションが、双方向の質の高いディテーリングを実現することを支援します。
高橋氏:第二の目的は、登録されているデータを我々マーケティング部門が分析することで、MRのディテーリング活動を可視化し、新たな戦略を考えることができるようにすることです。
このアプリはヒアリング内容を簡易的なものから詳細かつ専門的なものまで、段階的に登録できるようになっています。
いままで見ることが出来なかった、詳細なMRのディテーリング活動を可視化することができ、プロモーション戦略立案に大変大きく役立つと思います。
高橋氏:第一の目的であったMRのディテーリング活動に関しては、使用して間もないためこれから見えてくる段階だと思います。
第二の目的に関しては、蓄積された登録データを分析したところ、予想通りMRによって登録情報に差があることが確認できてきました。
これから様々な切り口で分析し、MRに役立つデータの提供に繋げることができそうです。
鈴木氏:対象となるMRは約1200名程度です。
鈴木氏:徐々に、使用する機会が増えつつあると思います。日々、MRの登録データが蓄積されていっていますので、スタート時点としては、良いのではないかと思います。
高橋氏:5社のコンペ方式を採用しました。一次審査で3社にしぼり、最終審査を行ないました。
その中でNCDCさんを採用した最大の理由は、提案内容が最も戦略的かつロジカルで、
自分たちの思想に最も近いと感じたからです。
分析内容のレベルも他社を大きくリードしていました。
高橋氏:ペルソナ分析(架空の使用者を具体化して考える方法論)や行動分析等、進め方の戦略フレームワークが最も練られていました。
提案段階であそこまでしっかり考えられた提案は他社にはなかったですし、我々の考え方にもフィットすると感じました。
鈴木氏:RFP(提案依頼書)から私たちの考えている戦略をしっかり読み取って、論理的な分析をされていて、内容も素晴らしく、私もぜひお願いしたいと思いました。
丹羽氏:私の視点からはスマートデバイスやそれらの開発に関する技術的な信頼性や実績です。
NCDCさんなら不安なく任せられると感じました。
高橋氏:こんな短期間に、この複雑なアプリをトラブルなく実現できたことは本当に素晴らしいです。
鈴木氏:毎週実施した定例会議においても常に事前準備していただき、ディスカッションポイントも明確でしたし、要望事項への対応も迅速で、本当にスムーズにプロジェクトが進んで感謝しています。
品質と精度が素晴らしかったです。
一同:思いつきませんね(笑)
丹羽氏:最終段階で仕様の変更などがあり、予定日に無事リリースできるかハラハラしましたね。
鈴木氏:想定外といえばそうですかね(笑)。
今回のアプリは何度もメンバー内でロールプレイングを行ないました。
それはプロジェクト初期のプロトタイプ段階から何度もやってきていたのですが、やはりアプリが仕上がってくるにしたがって、具体的な利用場面がどんどん想定できてきて、
期限のギリギリまで「より良いアプリにしたい」という私達のこだわりが仕様変更を生んだのだと思います。
しかし、その分納得のいく完成度の高いアプリになりましたので、サービス開始後のトラブルや改善要望を事前に潰すことが出来たと思いますし、結果として良かったと思います。
鈴木氏:本当にそう思います。
他社であれば「今回はそこまでやらなくてもよいのではないですか?」と拒否されたと思いますが、NCDCさんは私達のこだわりの部分まで「想い」を理解していただいて、最大限かつ迅速に対応してくれました。
高橋氏:このアプリを発展させて、患者さん-医師-MR-企業が一元化された情報によって繋がっていき、医師や患者さんに今までにはない新しい価値を提供できるようにしていきたいと思っています。
そのためには超えないといけない規制や制約は多くありますが、これらの壁を乗り越えて、新しい仕組みを構築したいと思っています。
鈴木氏:私はこのアプリをMRが「使いたいな」「使って楽しいな」「使うことが普通なんだ」と思われるようにMRに愛されるアプリに成長して欲しいと思っています。
丹羽氏:弊社ではこれまでに多くのアプリを作ってきており、MRが複数のアプリを使う状況になってきたので、操作感の統一と標準化を図っていく取り組みを始めました。
その際、今回のNCDCさんの作られたUI(ユーザーインターフェース)を参考にしながら標準を策定しています。
丹羽氏:使用者が迷わない、画期的に使いやすいUIを引き続き提案してほしいと思います。
高橋氏:他の業界やビジネスモデルをよく知っているNCDCさんから新しい活用方法などを提案してもらいたいです。そこから新しいマーケットなどを一緒に創造してゆければと思っています。
鈴木氏:他の業界でもかまわないので、アプリやITのトレンドなどを教えていただきたいと思っています。