様々な保険・金融関連システム・サービスを手がけるニッセイ情報テクノロジー株式会社。アジャイル開発に続いて、UXデザインをサービス開発やシステム開発に応用する試みがスタート。なぜUXデザインに着目して、どのように進めていったのか、そして、その成果は。
最初の一歩を一緒に推進したNCDCが、責任者であるニッセイ情報テクノロジー株式会社の中野氏、嶋瀬氏に話しを伺った。
中野氏 ── 当社は日本生命保険相互会社のIT子会社で、日本生命グループのIT戦略を支えていく立場です。日本生命関連以外の仕事(外販)も増えており、売上比率の半分程度が外販となっています。この比率は情報子会社としては多い方だと思っており、日本生命グループで培った力を外部のお客様も認めていただいている結果だと自負しております。また、請負開発だけではなくクラウドサービスなどもリリースしており、これからもどんどん新しいモノを生み出し、当社としてのサービスを拡大していきます。
中野氏 ── 次世代R&D室は、新しい技術分野の調査研究や新規事業のPoC(実効性検証)を推進していく部署で、将来事業化に繋がりそうな情報の収集を行なっております。
主に、AIやIoTなど新しい技術領域の情報収集や、新サービスを検討するワークショップを開催するなど会社全体を活性化させていくことを実施しています。
中野氏 ── 2年前よりアジャイル開発をしている中で、外部の様々な企業の方と話していると、新しいサービスを考えるためにサービスデザインの手法が取り入れられており、ユーザ価値(UX)が重要視されていていると感じておりました。
Web系のサービスでは売上に影響が出るとも聞いておりましたので、弊社としてもアジャイル開発の次にUXも取組まなければいけないと考えておりました。
嶋瀬氏 ── 良い意味で、スタートしてすぐにハードワークでした。ワークショップや宿題にて作成したサービスブループリントやビジネスモデルキャンバスの模造紙はかなりの枚数になりました。
ペルソナ一つ決めるだけでも、「何のために、何にポイントをおいて考える必要があるのか」「なぜ、この項目が必要なのか?」といったことを一つ一つトコトン考えることで、より具体感が増してきました。過去に勉強会で学んだことはあったのですが、座学レベルだったので活用するレベルまでは至っていませんでしたが、いまは自信をもって様々なことに活用できそうです。それと、付箋に書き出すことでアイデアや意見が見える化できて、発想や議論が膨らみやすいことも実感しました。
中野氏 ── まず、今回一緒にワークショップで考えた対象サービスの事業化検討を具体化し、第一ステップであるシステム開発を進めていきます。そして、ワークショップを通じて学んだ手法については、既に新規事業のビジネス検討やサービスデザイン、UXデザインを社内向けに活用を始めています。
例えば、総務グループに対してプロセス改善を目的としたUXのワークショップを実施し、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成して議論しました。事務担当のメンバーからは「ワークショップは初めてなので不安」との声が開始前にはありましたが、実施後は「自分たちの課題が明確になった」と非常に喜んでもらえ、効果を出せていると実感しています。
中野氏 ── NCDCさんほど、新規事業のアイデア出しやビジネス検討、サービスデザイン、UX/UIデザイン、システム開発まで一貫してお手伝いいただける会社は他には無いと思います。今回のプロジェクトにて弊社の雰囲気や文化を理解していただいたかと思いますので、引き続き、NISSAY ITに合わせたやり方で新しい事業開発や社内改善に寄り添っていただき、一緒にできたらと考えています。ありがとうございました。