クライアント:大手精密機器メーカー
プロジェクト:ハードウェア制御アプリケーションのWeb化・UX刷新
「長年愛用されてきた自社の専用機器を、ブラウザやスマホから操作できるようにしたい」。
日本を代表する大手メーカーからの相談は、単に「アプリを作ってほしい」という依頼ではありませんでした。その本質は、ハードウェア主体の文化を持つ組織にWebの思想をインストールし、新しい顧客体験(UX)を創出するという、事業変革・組織変革プロジェクトでした。技術的な難易度が極めて高いこのプロジェクトを牽引した、NCDCコンサルタントの挑戦をご紹介します。
技術のブラックボックスを「価値」へ翻訳する
プロジェクトの初期段階、クライアントの要望は「スマホで動かしたい」というシンプルなものでしたが、対象となる機器は独自の通信仕様で動くレガシーなシステムでした。
ここでコンサルタントに求められたのは、技術的な解析そのものではなく、「技術的な制約の中で、どのようなユーザー体験(UX)が実現可能なのか」を描き出すことです。
• 現状分析とゴール設定:
エンジニアチームが調査した複雑な通信仕様や制約事項を、ビジネス視点で解釈。「何ができて、何ができないのか」を整理し、クライアントが目指すべき「To-Be(あるべき姿)」を定義しました。
•技術リスクのコントロール:
「この通信仕様では、リアルタイム性に課題が出る可能性がある」というエンジニアからのフィードバックをもとに、コンサルタントは早期にリスクを特定。プロジェクト計画にPoC(概念実証)を組み込み、ビジネス上の手戻りを防ぐロードマップを策定しました。
「引き算」の提案で、プロダクトの方向性を決定する
クライアントの既存製品は「高機能・多機能」が売りでしたが、それが逆に新規ユーザーの参入障壁になっていました。
「全ての機能をWebアプリに移植したい」と考えるクライアントに対し、コンサルタントはあえて「機能を捨てましょう」と提言しました。
• UX戦略の立案:
「誰のためのアプリなのか?」を徹底的に議論し、ターゲットをライトユーザー(初心者)に設定。「なんでもできる」ではなく「迷わず使える」ことが価値であると定義し、UI/UXデザイナーと共にプロトタイプを作成しました。
•合意形成のリード:
機能削減には社内の反発も予想されます。コンサルタントは、ユーザー視点でのストーリーと、開発スコープ・予算のバランスを論理的に説明し、クライアント社内の合意形成をリードしました。
「納品」ではなく「自走」を支援する
このプロジェクトの最大の特徴は、システムを開発して終わりではなく、「クライアントへの技術定着(スキルトランスファー)」がミッションに含まれていたことです。
• 組織の変革を支援:
Web開発の経験がないクライアント担当者に対し、コンサルタントは単なる進捗管理だけでなく、開発プロセスそのもののレクチャーを行いました。「なぜアジャイルで進めるのか」「なぜこのツールを使うのか」。日々の対話を通じて、クライアント自身のデジタルリテラシー向上にコミットしました。
•パートナーとしての信頼構築:
仕様変更や追加要望が発生した際も、単に御用聞きになるのではなく、「予算内で最大の価値を出すにはどうすべきか」を共に悩み、スコープを柔軟に調整。その姿勢が評価され、フェーズが進むごとに相談領域はアプリ開発からサービス全体の構想へと広がっていきました。
この仕事の醍醐味
NCDCのコンサルタントは、単に要件を右から左へ流すだけの存在ではありません。
最上流から入り込む:
「何を作るか」が決まっていない段階から参画し、技術的な裏付けを持ってサービスを企画できます。
ビジネスとテックの翻訳者:
高度な技術課題を持つエンジニアと、ビジネス課題を持つクライアント。その間に立ち、プロジェクトを成功に導く司令塔としての役割を果たせます。
顧客の成長に立ち会う:
システムという「モノ」だけでなく、顧客組織が変わっていくプロセスそのものをデザインできます。
「技術もわかるビジネスパートナー」として、企業のDXを成功に導きたい方。NCDCでその力を発揮しませんか?


