こんにちは。NCDCの北村です。
今年の5月からNCDCにジョインし、在宅勤務になりました。NCDCはオフィスがなく、全員が在宅かノマドワーカーです。他のメンバーは東京か大阪に住んでおり、私は滋賀の家で仕事をしています。このような状況の中で、3ヶ月間勤務したので、その感想をまとめたいと思います。
前職の勤務体系
前職ではユーザー系SIerに勤務していました。通勤時間は1時間程度。8:45にオフィスに出社し、17:30に定時を迎えます。大体、2〜4時間程度の残業をしており、帰宅は9時〜11時の間、子供が寝静まってからの帰宅が一般的でした。そのため、転職への期待はいろいろありましたが、NCDCへのジョインに対しては、勤務体系の変更により家族との時間を増やす事への期待も含まれていました。
主な業務内容
- 自社製品の設計・開発
製品開発には、国内外のパートナーにも参加してもらっています。 - UXやエンタープライズアーキテクチャのコンサルティングとその提案
この業務に伴って、週の1〜2日程は客先に外出しています。
ミーティング
NCDCはGoogle AppsのGoogleカレンダーで社員のスケジュールを管理しています。ミーティングが必要な場合は、Googleカレンダーにてメンバーの空き状況を確認し、スケジュールをアサインします。実際のミーティングは、主にGoogleハングアウトにて実施します。ハングアウトだと、同時接続の制限もなく、PC上の画面の共有もできるので、資料を使ったミーティングやレビューもとてもやりやすいです。最近では、お客様とのミーティングもSkypeでやっているメンバーもいます。
また、前職の時に多数対少数でリモートミーティングをすると、どうしても少数側が会話に入りづらくなり、会議がうまく行かないという状況を何度も経験しました。これは人数だけではなく、影響力が強い人がいる側とそうでない側でも同様の現象が起きます。しかし、NCDCでは全員が別々の場所にいるので、1対1対1対…にしかならず、このような問題が全然気にならなくなっています。リモートワークでは拠点間のパワーバランスに気をつける必要があると思います。
社内コミュニケーション
インスタントな会話はLINEか電話で済ませます。長文や記録を残すべき物はGoogle AppsのGMailで。複数人で同一作業に没頭する場合は、ハングアウトを終日繋ぎっぱなしにする事もあります。製品開発に伴う社内外のコミュニケーションにはGitHubを利用しています。GitHubフローに近い形を運用し、IssueとPull Requestを使った作業依頼やディスカッション、レビューを行っています。海外のパートナーがいると、英語でのコミュニケーションが必須ですが、私は英語が苦手…。少し時間をかけてでもテキストベースでのコミュニケーションになってしまうのですが、GitHubはIssueやPull Requestに対して、ソースコードやドキュメントを行レベルで関連付けられるので、私の未熟な英語の表現力をカバーしてくれて助かっています。
仕事場所
これはいろいろ試行錯誤しましたが、結局自宅に落ち着きました。はじめはカフェやコワーキングスペースなどいろいろ考えました。
- カフェ
電源がある場所が限られている
交通費やドリンク代などの諸経費が馬鹿にならない(コーヒー一杯350円は高い…)
技術書とサブディスプレイがないと効率が悪い - コワーキングスペース
最近ではサブディスプレイも技術書もあるところが多い!
でも滋賀にない…
そもそも、ミーティングを結構やるのですが、外ではやりにくいです。情報漏洩も怖いですし、それ以前にうるさくて周りの迷惑になる。これらの理由から、最終的には自宅が一番良い環境だという事になりました。
家族との関わり方
まず、子供を保育園へ送迎するようになりました。前職でも朝は私が送っていましたが、今ではお迎えも私が担当しています。
また、保育園から帰って来てから子供達とお風呂に入るようになった事と、夕食を家族全員で食べるようになりました。夕食後は家族との団欒の時間も設けています。
メリット
- 家族との時間が増えた
保育園への送迎をする事になり、先生から子供達の園での様子を聞く事ができるようになりました。また、家族と、お風呂や夕食、その後の団欒の時間を共有できるようになった事で、家族と接する時間が増えた事が、親子間、夫婦間において良かったと思います。家族の状況を共有できる事で、話題も増え、必然的に家族との会話も増えました。何より、相手の気持ちを理解しやすくなった事で、お互いにちょっとした気の配り合いができるようになり、コミュニケーションが円滑に行えるようになったと思います。 - 家事・育児への参加
前職では、大部分の家事・育児を妻に任せっきりになっており、妻の体力やストレスが心配でしたし、それが負い目になって自分のストレスにもなっていました。それが、日々の育児もそうですが、子供が急に体調を崩した時等は、私が家にいるので面倒を見る事ができる事が大きかったです。また、3才以上の子だけなら、面倒を見ながらも十分仕事ができます。
※ちなみに、前職でも父親の育児参加については寛大な待遇の会社でした。その節は上司の方々や同僚の皆にはとても迷惑をおかけしましたm(_ _)m - 通勤時間のムダの排除
前職での通勤時間は往復2時間。技術書を読んだり、SNSを見たり、アジャイルラジオを聞いたりと、自分なりに充実した時間を過ごしているつもりでした。それでも、朝は満員電車で体力を削られ、帰りは頻繁に発生する電車遅延により駅で待ちぼうけを食らう事等がありました。通勤時間に出来る事はやはり限られており、別途2時間という時間をまるまる与えられるなら、仕事なり、家族なり、勉強なり、もっと有効活用ができたはずです。自分では充実させているようでも、やはりムダは多かったかなと思っています。
※ちなみにアジャイルラジオは東京出張の移動中に聞いています!
デメリット
- 社員間のコミュニケーションが少ない
担当しているプロジェクトが重なっていないメンバーとのコミュニケーションがほぼとれません。また、飲みに行く事は中々できないため、いわゆるノミュニケーションが少なく、飲みの好きな自分としては少し物足りない感はあります。4半期に一回は全員が集まる機会があるので、そのタイミングでは必ず飲みにいけるようにしたいと思います。 - ホワイトボードを使ったコミュニケーションができない
音声や映像での会議は、ITを駆使すれば何も問題なくコミュニケーションがとれます。しかし、ホワイトボードを使ったような、その場でのラフスケッチでの認識の共有や議論を纏めるような会議の進め方が難しいです。ハングアウトの画面共有や、Cacooなどのコラボレーションツールをいろいろ試していますが、まだまだアナログのホワイトボードは超えられないです。 - 仕事モードへの切り替えが難しい
自宅では仕事以外の誘惑が多いため、自己管理が非常に難く、集中力がなかなか高まりません。モードを切り替えるためには、自分にあった環境やリズムの確立が必要になります。私の場合は、リビングでは集中できないため、子供の部屋に机や各種機器を持ち込み、仕事部屋を確保しました。この部屋に入れば仕事モードをONにするようにしています。また、リズムの確立として、朝に集中力が高まる傾向があるため、子供が起きてくるまでの時間を仕事時間に割り当てるようにしました。 - 金曜日に飲みに行けない
明日は休みだしちょっと飲みにいきたいなーと思っても、その場には誰もいません。今までだったら、ちょっと声をかけて飲みに行けたのに…。誰かのみに誘ってください。
所感
やはり家族との時間が増えた事が一番良かったと思いますし、家族も喜んでくれています。私自身、家族と仕事を両立する事は不可能だと思っています。一方をとればもう一方には何らかの犠牲が伴います。これは、在宅勤務になった今でも変わりませんが、少なくとも、犠牲にする内容を緩和する事ができていると実感しています。
また、NCDCでこのような勤務体系がうまくいっているのは、管理者と作業者という構図があまり無い点が大きいと感じています。在宅勤務の場合、管理する側と管理される側が存在すると、管理する側は管理される側の状況が詳しく掴めないため、管理者としての使命を果たせず、管理される側も管理者の指導を受けにくいので、高い自己管理能力が無い場合は怠けてしまうからです。ましてや、一般の会社の管理者は、出勤状況や作業進捗だけでなく、メンバーの育成や、体調、モチベーションにまで責任を持つため、離れた場所にいるメンバーを管理できるはずもありません。その点、NCDCでは、上司-部下や、管理者-作業者という関係がなく、仕事は個々人の信頼関係で成り立っています。お互いがお互いの成果を信頼した上で、仕事を依頼し、信頼に応えるために仕事の成果を上げるという構図ができています。自己管理も個人にゆだねられ、周りのメンバーはそれを信頼しています。このようなやり方は、NCDCのような少数精鋭のチームだから実現できるていると思います。そう考えると、まだまだ大きな組織に対して在宅勤務を適用していくとは難しいのかもしれません。
3ヶ月間を通して非常に貴重な経験ができました。まだまだ働き方に改善の余地があるため、積極的に新しいやり方にチャレンジしながら次世代の働き方を模索していきたいと思います。
関連情報(2020.4.14追記)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、急遽リモートワーク(テレワーク・在宅勤務)に取り組んでいる企業が数多くあるようです。NCDCでは2011年の創業時からリモートワークに取り組んできた経験やクラウドインテグレーションなどの知見を活かして、急な在宅勤務の準備などでお困りの企業、IT部門のご担当者をお手伝いしたいと考えています。
詳しくはリモートワーク導入支援サービスのご案内をご覧ください。