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2012/07/10 企業システム

なぜ今、デザイン思考やリーンスタートアップが注目されているのか?

PDCAサイクル
筆者はNCデザイン&コンサルティグ株式会社の経営をしている傍ら、企業研修の講師などもやっています。
企業研修のニーズの中で
「数ヶ月の研修を通じて、自社の新規事業を創造し、研修の最後に経営層に提案して事業化する」
という目的のものがあります。

そういった研修の一部を担当する時があるのですが、私はいつも
「過去にこの研修のアウトプットから実際に新規事業まで結びついたことがありますか?」
と聞きます。

答えは100%ノーです。

これでは研修は失敗か?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
実際に研修を企画している企業側も「新規事業を立案することを通じて、経営全般を学び、
今後のキャリアの中で活かしてほしい」というのがメインの目的だと考えられるからです。
確かに企業人として会社のキャリアを登っていくためには、自分で事業を立案するくらいの
経営の定石を知っておく必要があるでしょう。
そういったときに有効なのは一般的にはMBAなどでやっている経営戦略・分析などの手法となるのです。

市場環境や競合環境、自社の強みなどから、ターゲッティングやポジショニングを行い、
事業やサービスの仮設を立て、投資回収計画をたてるといったアプローチです。

では、MBA的手法で論理的に導き出した新規事業案がなぜ、経営陣の審査をパスして、
本当の新規事業として産まれにくいのでしょうか?

それは実際にはやってみないとわからないことが多いからです。
どんなに矛盾のない綺麗な事業計画であっても、「初期投資が10億円かかります」
といった案では経営陣がGOをすることは常識的に考えにくいはずです。

成功する事業を100%の確率で生み出すことは誰にもできません。
MBA的手法は、その成功確率を上げるために非常に有効ですが100%にするためのものではありません。

それでは市場及びニーズが多様化して、競合もすごいスピードで変化する時代により成功確率をより高める方法は
どうすればよいでしょうか?

一つの有力な手法として、PDCAサイクルを新規事業においても回すことだと考えられています。
Planして、実際にDoして、そのフィードバックをCheckして、改善点を考慮してActionするサイクルを何回もまわす改善アプローチです。
これは業務改善などで古くから誰にでも知られている手法でしょう。

これを新規事業に適用する場合には、最初のDoで10億円もかけずに、必要最小限の規模・投資で行うことです。
例えば、事業計画案の中で実現する予定のサービスの一部を特定のユーザにだけ使ってもらい、フィードバックを得て、
Check→改善案のActionと進めていくわけです。

大きな投資をせずに、進めることができ、不確実性の部分を、実際にやってみながら
進めることができるので、リスクが低くなることは一目瞭然でしょう。

新規事業や新サービス開発において、必要最小限のサービスや商品を実際に作って、
実際に使ってもらい、改善を重ねていくアプローチを基本とした方法論が
「デザイン思考」や「リーンスタートアップ」なのです。

誰にも一歩先の未来や市場のニーズも読みにくい時代だからこそ、軽量なPDCAから回していく特徴を持った
「デザイン思考」や「リーンスタートアップ」の考え方が必須となってきており、
注目されてきている理由だと考えています。

※本記事はデザイン思考やリーンスタートアップ自体を説明するための目的ではないため、
デザイン思考とリーンスタートアップを同じような位置づけで一旦定義していますが、
今後の記事でその違いなどを解説していきたいと思います。

早津俊秀

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