• Top
  • > Blog
  • > NCDCは「何でも屋」だけど、ただの「何でも屋」ではない理由
2014/07/14 NCDC Story

NCDCは「何でも屋」だけど、ただの「何でも屋」ではない理由

NCDCでUXデザインやiOS、Enterprise Systemを担当している金成哲です。(>_o)

私は誰かに「NCDCは何をする会社ですか?」と聞かれたら、いつも答えに少し困ります。その理由は、NCDCがやっている仕事があまりにも多様だからです。NCDCがやっている仕事の一部を例として、以下に挙げてみます。

・AppPotという、Enterprise Mobile BaaS製品を開発・販売
・PC向けソリューションをタブレット・スマホに展開することを支援
・大規模のレガシーSystemをオープンSystemへリプレースすることを支援
・アジャイルプロセス等の導入支援
・ビジネス戦略・ビジネスモデル策定支援
・タブレット・スマホ向けアプリ制作、ウェブサービス制作
・UI/UXデザインをIT業界に広げる活動
・既存サービスや製品のUI/UXデザインの改善
上記を見ると、NCDCは「何でも屋」に見えてしまうおそれがあります。更に、NCDCの仕事はデザインとIT、そしてビジネスという3つの要素が絡み合っていることが多いです。例えば、一つの客先で、1日に3回の会議を持ち、各会議が「ビジネス戦略」、「UI/UXデザイン」、そして「細かい実装技術の話」と、全く分野と粒度が異なる場合もあります。

だから、いつも「NCDCは何をする会社ですか?」という質問の答えに困るのです。NCDCの仕事はSIer、ビジネスコンサルティング、デザイン会社等、既存の業界の一般的なカテゴリーには上手く収めることができないです。敢えて言うなら、それら既存の業種区分のカテゴリーの境界線上に存在するのがNCDCです。そして、それはNCDCの創業当時から意図したことでもあります。

今、業界は縦割りに分割し過ぎの状態です。ここ数十年に渡り、社会は専門化を進めてきました。人も企業も、ある特定の分野で高い知識と経験を持つことで自らの価値を高めていたのです。産業革命以降、経済規模が大きくなりながら、それは必要なステップでした。しかし、今は各分野に特化された会社と人材でありふれています。インターネットや情報技術の発展に伴った情報革命によって、一時期、専門家や専門企業が独占していた知識や情報の多くは一般知識として広く伝わり、各種書籍やネットから必要な専門知識は、いくらでも手に入る時代に変わったのです。何を知っているかより、それをどうやって探すかがもっと大事とも言われたのが既に10年も前のことです。ネットを検索すればほとんどの情報は手に入る、専門家要らずの世界です。時代は変わりました。それでは、今の企業や働く個人はどのような価値を顧客に提供すべきでしょうか?
学界では数年前から「Consilience」という概念が広がっています。これは日本語にすると「知の統合」になります。異なる別の学問として扱っていたものを統合することで新しい知的価値を創出する。あるいは、既存の学問の知識を別の学問の知見で考察することでより有効な視点を得て、新しい学術分野を作ること。これが「知の統合」です。NCDCはビジネスの分野でもこの「知の統合」が起きる必要があると思っていました。NCDCの社名にある、NCとはNext Conceptの略語で、ここでいうNext Conceptがまさに複数の分野の専門知識をまたがることで得られる新しい価値を指しています。
ビジネスにおける「知の統合」はすでに身近にみることができます。いくつか例を挙げてみましょう。アジャイルプロセスでいうカンバンは日本の製造業の作業方式をソフトウェア開発のプロセスに適用したものです。またアジャイルの短期間で行うイテレーションを通したリスク回避の技法は最近流行のリーンスタートアップの思想にそのまま借用されています。(リーンスタートアップがアジャイルプロセスに影響されていることについては、リーンスタートアップの創始者、エリック・リースのスタンフォード大学での講演を聞くと良く分かります。)コンシューマライゼーションという用語はB2BとB2Cで使用される技術・サービスの区分をなくしています。UI/UXデザインのセミナーやワークショップの参加者の多くはデザイナーではなく、エンジニアやSI企業の人で埋まっています。また、SI企業の中にUXデザインの部署が新設されつつあります。
これは正にNCDCが予測していた世界です。今までの業界の境界がなくなり、それを横断知識と経験があるからこそ価値が認められる世界です。そしてこのような変化するマーケットの中でNCDCは今、下図のような領域にフォーカスしています。

企業システムに詳しい会社、スマホ・タブレットの開発ができる会社、UI/UXデザインができる会社は多くあります。しかし、それらの要素が複数絡む案件を自社だけで対応できる会社はまだまだ少ないと思います。NCDCはこのように複数の知識領域をまたがる仕事ができる会社です。もちろん、対応分野が広いため、一見「何でも屋」に見えてしまうのもしようがないことではあります。しかし、上記の3つの領域は何気なく選んでいるわけではありません。その選択にはNCDCのもう一つの哲学が反映されています。
NCDCの仕事を考える、もう一つの重要な軸は時間にあります。ジェフリー・A・ムーアは著書「Crossing the chasm」にて、ハイテク業界における新技術や新製品のマーケットへの浸透のフェーズをいくつかのフェーズに分けています。NCDCはそのような類似なフェーズは技術や製品だけでなく、全ての新しい知識や思想のライフサイクルにも見えると思っています。下図はNCDCが考える新しいコンセプトのライフサイクルをマーケットの規模も考慮して図示したものです。

価値の創出を目標としている企業として、どのマーケットで活動するかを決めるのは重要なビジネス戦略となります。そしてNCDCが目指しているマーケットはイノベーターからアーリーマジョリティに至る領域です。この領域は、全体のマーケット規模に比べると比較的に小さい規模ですし、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には「キャズム」という超えなければいけないリスクもあります。しかし、だからこそ、誰にでもできる仕事ではないですし、挑戦する価値があると思っています。他社より一歩から2歩先を常に走りながら、キャズムを超えることができる新しいコンセプトを絶えなく模索する、そして自分で「これだ!」と思った新しいコンセプトをとことん追求してマーケットに広げていくことに頑張る、それがNCDCのやりたい仕事です。
そして、上述したNCDCが事業展開している3つの領域をまたがることが創業当時にはちょうど新しいコンセプトだったのです。3年半前に、この3つの領域を跨がる価値を提供する会社がないことに着目したのが直接的な創業のきっかけとなりました。幸い、創業当時の予測は的中しており、NCDCは着実に会社の規模を増やし、多くのお客様の仕事をさせて頂いております。とてもありがたいことです。
NCDCの創業時に描いた絵の通り、世界は変わりつつあります。しかし、残念ながら、まだ100%その絵の通りになっているわけではありません。実際には世の中の変化のスピードはNCDCが予測したものより半分程度の速度で進んでいます。従って、NCDCは今後もしばらく今の3つの領域にて頑張らざるを得ない状況です。しかし常に次の新しいコンセプトを探し続ける姿勢は変わりません。今でもNCDCは日々の仕事をすると同時に、新しいコンセプトを見つけ出すための努力をしています。
ここまでがNCDCがやっている仕事、やりたい仕事の説明となります。最初の質問に戻りましょう。「NCDCは何をする会社ですか?」と聞かれた時の正確な答えは下記の通りになるでしょう。
「NCDCは、業界の境界をまたがった一歩先の仕事をすることで、今までにない新しい価値を提供することを求め続ける会社です。」
記事一覧へ