資料公開|実例に学ぶ建設業のDX。AIやIoT、クラウドの活用で何が変わるのか?

公開 : 2022.08.25  最終更新 : 2023.06.06
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2022年8月23日にオンラインセミナー「実例に学ぶ建設業のDX。AIやIoT、クラウドの活用で何が変わるのか?」を開催いたしました。
この記事では当日用いた資料を公開し、そのポイントを解説しています。

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建設業界で進められているDXとは?

DXとはデジタルテクノロジーを活用した変革のことを指しますが、NCDCではもう少し具体的な説明としてよく次のように表現しています。

スマホやタブレットなどの機器や、5Gのような通信技術、クラウドサービスなどの登場により、従来は考えられないくらい安く・簡単に手に入るようになった先端テクノロジーを上手に活用し、今まではやりたくてもできなかった変革に取り組むこと。

建設業界のDXプロジェクトの多くは、

  1. データのデジタル化
  2. データの活用

という順に取り組んでいます。
(これは建設特有というわけではなく他の業界にも通ずる話ですが)

まず、さまざまな情報をデジタル化してどこからでもデータにアクセスできる準備を行い、次にそのデータを活用して自社サービスの付加価値を上げる、業務の効率化を図る等の施策に取り組みます。
こうしたDXを実現するための土台として、IoT、クラウドなどのテクノロジーの導入や、社内の業務ルールやシステム全体の構造を検討・標準化することも重要です。

建設業におけるデータのデジタル化方法

まずデータのデジタル化から取り組むと紹介しましたが、建設業界の仕事では設計から工事の管理まで、多くの資料や記録が残されます。その多くが従来は紙やExcelで管理されていたので、業務で使う紙をゼロにすることや、社内の情報にどこからでもアクセスできる状態にすることがDX推進のスタート地点だといえます。
建設業界におけるデータのデジタル化方法として、3つの例を説明します。

  1. 紙、Excelで管理しているデータをWeb化、アプリ化
  2. 設計データのBIM/CIM化
  3. 建設機器などからのデータ取得

紙、Excel管理しているデータをWeb化、アプリ化

紙での管理をやめてデータ化するメリットは想像しやすいと思いますが、データ活用を考えると、Excelでのデジタル化・管理は避けて別の方法に置き換えた方が良いといえます。Excelは何でもできる強力で便利なツールなので、Excelでさまざまなデータを管理されている会社はたくさんありますが、便利な反面、実は次の点でデータの共同利用を阻害する要因にもなっています。

  • 自由度が高いために仕様が統一されないことが多い
  • 検索性が低い(共有フォルダに置いても目的のデータを探すのが大変)
  • 共同編集が難しい

複数の人が共通でデータを管理、利用できるようにするには自由度の高いExcelでの入力をやめて、Web化もしくはアプリ化する(一定の仕様で統一する)のが適しています。

ただし、今Excelで管理しているものをすべて専用のアプリに置き換えるのは多くのコストと時間がかかるので、Excel業務のWeb化・アプリ化に関しては安価なノーコード・ローコード開発(コードの深い知識がなくてもアプリ開発できるツール)などを活用するのが便利です。

一方で、ノーコード・ローコード開発はできることに制約があるので適さないケースもあります。利用頻度が高くて使い勝手が重要なシステムや、凝ったUIが必要なシステムはコストと時間を掛けてでもスクラッチ開発する価値があります。

ノーコード・ローコードが向いている例

  • 計画書、完了報告書の入力
  • 日報
  • 自社工場への発注、納期確認

ノーコード・ローコードが向いていない(スクラッチ開発が向いている)例

  • 施工中の実績値記録
  • 施工状況をグラフなどで現場のニーズに合わせて可視化
  • 工程表などのグラフィカルでわかりやすいUIを備えた工事スケジュール管理
SaaS利用という選択肢もある

その業務に適したSaaSがある場合は独自でアプリをつくらなくてもSaaSの利用で目的を達成できる可能性があります。
たとえば上記の「施工中の実績値記録」「施工状況をグラフなどで現場のニーズに合わせて可視化」という機能は当社のSaaS「ミエルコウジ」で提供しているので、こうしたサービスを利用すれば毎日現場で使うのにストレスのない操作性に優れたアプリを短期間で、自社開発するよりもはるかに安価で現場に導入できます。

設計データのBIM/CIM化

BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)についての詳細な説明はここでは省略しますが、BIM/CIMの活用が進んでいけば、従来はCAD図のpdfとExcelファイルでやり取りされていた情報をBIM/CIMを介してデータ連携できるようになるため、建設業界のDXでは(特に設計分野では)大きな注目を集めています。

NCDCでは、Autodesk BIM360を使ったデータ連携やForge Viewerを使った3D Viewerの開発にも対応できますので、この分野でお困りの方はぜひ一度ご相談ください

建設機器などからのデータ取得

建設現場には、大きく分けて2種類のデータがあります。

  • 人の手による入力・管理が必要なデータ
  • 建設機器が保有していて、何らかのかたちで取り出せるデータ

人が入力・管理しているデータは、先に紹介したように紙やExcelを介さずに、現場のスタッフがモバイル端末からモバイルアプリ等を使って入力できると非常に便利です。

建設機器が保有しているデータに関しては、近年の機器だと直接データをクラウドにアップする機能を持つものもあります。古い機器の場合はインターネット接続機能がなく直接クラウドに繋げるのは難しいのですが、できるだけ人手を介さずデータ化するためにはIoTデバイスを外付けするなどしてデータを収集して、クラウドに随時連携させることが望ましいです。

従来は、現場で確認したデータは一旦紙に記録して事務所に移動してから今度はExcel等で保存するというやり方をしていたケースは多いと思いますが、上記のように「モバイルアプリを通じた入力」や「IoTを用いたデータ収集」によってリアルタイムでクラウド上のデータベースに記録していくと、データ利用の可能性が大きく広がります。

なぜかというと、クラウドでデータを管理すると、現場以外にいても現場と同じデータにアクセスできるようになりますし、APIなどのデータ連携の仕組みを通じて、自社内はもちろん、企業間をまたいだ情報共有もスムーズにできるようになるためです。

建設機器からのデータ取得方法

インターネット接続機能がなく直接クラウドにデータをアップできない建設機器の場合、何らかの方法で間接的にそれを行う必要があります。

当社では、建設機器にデータの取り出し口(インターフェース)がある場合は、そこから取り出したデータをエッジサーバーというものを経由してクラウドへ連携させる仕組みをよく用いています(具体的には管理装置の中にあるPLCやシーケンサーを有線や無線のLANで繋ぐなどの方法があります)。また、最近の建設機器はBluetoothやWi-Fiを通じたデータアクセス用のインターフェースを有している場合もあります。

建設機器がデータを提供しない場合も、目的に合うセンサーが世の中にあれば、そのセンサーを建設機器に外付けしてデータを取得することも可能です。

当社のサービス「ミエルコウジ」に限らず、IoTを利用したシステムを検討されている方には、こちらの記事も参考にしていただけると思います。併せてご覧ください。
IoT導入時によくある課題
IoTのビジネス活用事例 代表的なパターンとは?
IoTプロジェクトの進め方 検証から商用化へ

建設業におけるデジタル化したデータの活用方法

まず建設業でよくあるデータのデジタル化の方法を説明してきましたが、次にデジタル化したデータの活用例をいくつか紹介します。

テータ活用例1.データの横断的な分析

現場のデータがExcelファイルで個人や支店ごとのフォルダに置かれたままでは、それらを横断的に分析することは困難ですが、(セキュリティは担保した上で)どこからでもアクセスできるクラウド上のデータベースにデータを格納していけば、全国の現場のデータを横断的に分析することも容易になります。

分析にはBI(Business Inteligence)と呼ばれるアプリケーションが使えます(BIツールはTableau、Microsoft Power BI、AWS Quicksightなどさまざまな選択肢があります)。

「例えば工法ごとの〇〇のコストを見る」など指標を定めておけば、BIを用いて簡単にグラフなどで視覚的に表現できます。また、支店ごとのデータ比較など各ユーザーが自分の見たい指標に切り替えることも容易にできます。

BIの操作は比較的簡単ですが、データのインポートなどいくつかの準備が必要になるので、データ量がそれほど多くない、Excelが得意な(ピポットテーブルなどが使用できる)人がいる、分析は数人しか行わないなどの場合は、BIにこだわらずExcelを用いた分析からスタートするのも良いでしょう。

テータ活用例2.現場業務の軽減

従来は、現場でしかデータが確認できないために現場の業務とされていたものも数多くあり、現場の業務量の多さは建設業界の課題となっています。

遠隔地から現場と同じデータにアクセス可能になると「現場でやるべき業務とそうでない業務」を見極めて負担を分担できるようになります。例えば、顧客向け資料の作成や施工のダブルチェックなど、別の場所でもできるものは現場の作業から除外するようなことが可能になるのです。

他業界の例ですが、リース・ローン業界では従来営業所ごとに紙で行っていた審査業務をすべてデジタル化したことで、業務のセンター化が可能になり、業務ルールの平準化・標準化、コスト削減、欠員が出た場合のフォロー体制の確立などさまざまな効果を得ています。

このように、一部業務の外部化・センター化ができると、建設現場の人手不足改善の一助になるのではないでしょうか。

センター化して定型化できるような業務なら、処理の自動化ができる可能性もあります。高度な判断が必要なものだけは人が行って、単純な作業はコンピュータに任せて自動化できれば、さらに人手不足改善に貢献できます。

テータ活用例3.AIによる予測や分析

蓄積されたデータをAIの学習データとして利用し、予測や分析を実施することも可能です。予め分析の観点や予測のロジックが立てられる場合は必ずしもAIを使う必要はありませんが、人が立てたロジックに別の手法で裏付けを得たり、人の頭では考えられないような数の要素を組み合わせてデータの関連性を見出せないか検証したりする場合は、AIが活躍できる可能性があります。

AIによる予測や分析の例

  • AIに過去の工事記録を学習させ、工期、人員に影響の大きい要素をいくつか見出し、次の工事に必要な期間や人員を予測させる
  • AIに現場の写真を学習させ、画像内の文字を読み取らせる
  • AIに現場機器の発する音を学習させ、振動音から機器の異常を検知する

施工管理IoTプラットフォーム「ミエルコウジ」

NCDCのプロダクトである施工管理IoTプラットフォーム「ミエルコウジ」は、モバイル、タブレット、PCのブラウザで利用できる施工管理システムです。

現場の建設機器が持つデータをクラウドに自動で収集し、本社、営業所、協力会社など、現場以外の場所からもデータを参照できます。また、APIによる外部連携機能等を利用することで、他サービス(営業支援システムやBIMなど)の持つデータと連携したり、ミエルコウジで集めたデータをBI、AIにつなげて分析したり、さまざまな活用が可能です。

最初にDX推進のスタート地点であるとご紹介した「業務で使う紙をゼロにする」「どこからでもデータにアクセスできる状態をつくる」の2つに貢献するサービスなので、これから現場のDXに取り組みたい方はぜひご検討ください。

ミエルコウジのカバーしている範囲は、下図の通りです(他のサービスと組み合わせることで実現可能なものも含む)。

建設DXのご相談はNCDCへ

NCDCは建設現場のデータをリアルタイム・セキュアに管理・共有できる施工管理IoTプラットフォーム ミエルコウジを提供している他、IoTを用いて収集した施工データの活用(データ分析)や、業務ごとに分断されたシステム間のデータ連携など、多様な実績があります。

建設DXプロジェクトでこれから取り組むテーマを探している方や、パートナーを探している方はぜひご相談ください

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