新サービスや新製品検討の手段としてのUXデザインの活用

2014.06.22

NCDCでUXやiOS、Enterprise Systemを担当している金成哲です。(> _O)
ここ数年、UXデザインを取り巻くビジネス環境がすごいスピードで変わりつつあることを身をもって実感しています。
ちょうど4年ほど前までは、UXデザインの概念はそれほど広く注目を呼んでいることはありませんでした。しかし、去年あたりはバズワード化していると感じるほど関心を集めています。
そして、今年に入って新たな変化が見えてきています。それは、単にUXデザインの話ではなく、サービスデザイン、あるいはビジネスプランニングの手段としてUXデザインを使っているケースが増えつつあることです。NCDCへのUXデザインの依頼はこういった案件が非常に多くなってきています。今回はこのような場合にUXデザインがどのように役立つかを述べてみます。
既存のサービスに更なる方向性を模索したい、あるいは新しいマーケットを見つけて新規事業を始めたいと思った時、企業は何から始めるでしょうか?
いわゆる戦略コンサルティングやビジネスコンサルティングファームにコンサルティング案件として発注する企業もあるかもしれません。しかし、数ヶ月かけて、膨大な費用を払って手にするのは、分厚いレポートのみであることが多いです。その後の実行は、企業の役目です。また膨大な時間と費用をかけて実現したサービスや新製品が本当にマーケットで成功するかについては、誰も100パーセントの自信を持てません。
どこかで良く聞いていた話と類似性が感じられませんか?上記の話はシステム開発における、ウォーターフォール方式プロセスの欠点として指摘されることと全く同じです。膨大な時間と費用がかかるけれど、誰もその成功を保証できないのです。これでは、巨大な失敗に向かって全力で突進していることと違いがありません。。
一方、自社内のリソースだけで新規サービス企画と展開を行うと考えてみましょう。新規サービスのための担当部署やチームが構成され人材を集めます。ビジョンを共有し、持っているデータを確認して、方向性を決め、企画を練ることになります。そしてサービスを設計して、実装、そしてサービス公開とマーケティング。その後はマーケットの反応を見て次の手を考えるか、あるいは失敗を認めて解散、次の企画に移るかです。
つまり、二つのやり方はその主体は異なっていてもやっていることは同じです。公開してマーケットの評価が出るまでは企画書に書かれた多数の仮説や確認がとれてない前提の上でことが運び、その全ての「説」が合っていたことを祈るばかりになります。
どう思いますか?あなたの企業の新しいサービス構築の際にこのような手法を適用しても良いですか?私の応えはノーです。じゃあ、何か代案があるのでしょうか?はい、既に代案はあります。あまり知られてないだけです。(「未来は既にここにいる。ただ広がってないだけ」と誰かが言っていましたね。w)
スタートアップの聖地、シリコンバレーではスタートアップが失敗した時の損失を最小限にし、成功率を更に上げるために、色々な手法を模索してきています。そして最近注目されているのは、リーンスタートアップという手法です。リーンスタートアップというキーワードを持った書籍やサイトは、既に日本でも多く接することができるので知っている方も多いと思います。詳細は関連書籍等を参考にして頂くとして、ポイントを簡単にまめると、できるだけ早期に実際に顧客になり得る人からアイデアやサービスの実効性を検証してもらい、アイデアやサービスを改善・あるいは方向転換することで失敗による損失を最小限にするということです。更にこの過程をできるだけ早く繰り返すことで成功への確率を上げていく考え方です。マーケットと技術の変化のスピードが速い今では、最も適している手法ともいえます。

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そして、このリーンスタートアップの考え方を具体的な実現手段として支援するのが「リーンUXデザイン」です。
リーンUXデザインは伝統的なUXデザインの考え方や手法をリーンスタートアップの考え方に合わせてチューニングしたものです。リーンスタートアップで顧客やマーケット、サービスに対して仮説を立てるとUXデザインはそれを低コストかつ迅速に検証する手段を提供します。また検証から必要なデータを得る方法、そして得たデータを分析する手段を提供します。
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最初の仮説は間違っている可能性があることを素直に受け入れ、顧客とマーケットの反応を見ながら素早く方向性を変えていく、そして変え続けたアイデアがやがて顧客のニーズを満たし、十分なマーケット規模があると確認された時に実際の構築段階に入るのです。このような検証と学習による方向転換は実装やサービスの公開後でも絶え間なく続きます。
リーンスタートアップやリーンUXデザインの手法を用いることで企業は新規サービスや製品を、大きな費用を使うことなく迅速に検証・展開することができるようになります。リスク回避の手段として優れているだけでなく、新規事業の成功確率を大幅に上げることができるのです。社内の仮説だけでなく、顧客やマーケットからの実測データを元に仕事を進められる時の安心感や参加メンバーのモチベーションの向上はおまけです。
この方法を一度体験すると、既存の大規模の新規ビジネス発掘プロジェクトがいかに無謀でリスクの高いことだったかを痛感できます。もはやビジネスコンサルティングファームが作る分厚いレポートは見たくもなくなります。本当の顧客やマーケットは分厚いレポートの中にいる訳ではなく、オフィスのドアを開けて外に出ればすぐそこで待っているのです。そして上述したような適切な方法論と手法さえあればドアの外は有効なデータで満ちあふれています。
NCDCはこの手法を既にいくつかの案件で実践していますし、十分な手応えを感じています。事例の一部はNCDCのサイトで既に公開されています。また近いうちに、お客様の許諾が得られたものから新たな事例も多数紹介できると思います。
もし新規サービス、新製品の検討が必要な場合はぜひリーンスタートアップとリーンUXデザインをキーワードとして検討してみることをお勧めします。仕事の見方、やり方が全く変わると思います。
最後に予言を一つ。いわばビジネス系のコンサルティングファームからもおそらく1年以内にこれらの手法を用いたフレームワークが発表されると思います。彼らは一応優秀だし、トレンドとマーケットのニーズは読み取っている筈ですので。
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